かわらばん

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     地域企業紹介
かわらばん地域版85号 2023年7月

株式会社ユニテックス
   「世の中にないものを創造し、 美しい未来をつくる」
 1990年の創業以来、30年以上にわたり独自のコンピュータストレージを提供している株式会社ユニテックス代表取締役の小杉恵美社長を町田市中町の本社に訪ねました。

 IDC(米国)の調査によれば、世界で流通・生成されるデータ総量は2015年の8.5ZB※から2020年には59ZBまで急増した。さらに2025年までに約3倍の175ZBに達すると予測している。DX化、5G、AI・IoTによってデジタルデータが急増する中、各企業・官公庁・金融機関などが直面するデータの保存・利活用への取り組みがこれまで以上に重要課題となっている。こうした課題に独自のデータストレージソリューションで解決しているのがユニテックス。同社の主要なソリューション事業は4軸である。

 近年、注目を集めつつあるのが「LTO(リニアテープオープン)データ保存管理システム」事業だ。あらゆるモノがデジタル化され、AIが台頭しつつある現在、どの業界においても出来るだけ多くのデータを持つことが求められている。今現在、活用頻度の少ないデータでも将来的には社会や企業にとって重要な資産になる可能性があるからだ。ただ、様々なデータをそのまま保存する場合は、サーバーやクラウドの容量を増やすことになり、コストや使用電力、保管スペースといった多くの問題を抱えてしまう。このような状態を回避しながらデータを保存したいだけ保存できるストレージ、それが「LTO」だ。しかしながら、従来のSAS接続LTOシステムは接続先がサーバーになるので場所が固定され、かつITの専門知識がないと操作が難しい。同社では、USBポートを搭載したLTO装置と自社開発のソフトウエアを組み合わせ“世界初・唯一”の製品を生み出したことで、ノートパソコンからも誰にでも簡単にLTOを利用することを可能にした。

 「LTOデータ保存管理システム」事業の他、様々なメディアに保管されるデータを受入れ、所定のメディアに移行して返却するシステムを販売する「マルチメディアコンバータ」事業は創業時から取り組んでいる。「マルチ光ディスクシステム」事業では、最大200枚の各種光メディアに対して、データを自動で読込み/書込みが可能なシステムを販売。システム内部にはプリンター、スキャナの他、自社製のロボットアームも搭載するなど、ユニテックスのハードウエア開発力が発揮されている。「メディアコンバージョンサービス」事業では、マスターメディアを異なるメディアに変換するサービスを提供。データの保管やバックアップ、システム移行時のデータ変換の課題をユニテックスが解決する。

 このようにハードウエアとソフトウエアを共に自社開発できることが“ユニテックス”の大きな強みだ。2000年に生まれたLTOテクノロジー。第1世代の最大容量は100GB だったが、現在の第9 世代では最大約18TB(圧縮時45TB)まで飛躍的に増大しており、今後もさらなる拡張が見込まれる。保管期間では約30年の長期保管が可能、また保管時は通電の必要がないため電力やCO₂の削減にも寄与し、ハードディスクなどに比べ低コスト・省エネ・省スペースを実現している。同社が委員を務めるJEITAテープストレージ専門委員会によれば、USB接続LTOデータ保存装置は、CO₂排出量を従来のディスクシステムに比べ約90~96%の削減効果があり、SDGsの推進活動と併せ環境負荷の低減にも貢献している。さらに、多発するランサムウエアなどのサイバー攻撃からデータを守る情報セキュリティやBCP対応としても評価が高い。4軸からなるソリューション事業の技術を活かしたカスタマイズ・組み込みなどにも柔軟に対応している。直近では、AI活用による自動データアーカイブシステムを開発し、導入拡大に取り組んでいる。現在、国内出荷はもとより海外出荷実績では欧米を中心に30か国にわたる。2021年に社長に就任した小杉社長は、さらに製品のローカライズを進め、海外展開を加速化させていきたいという。

 そんな小杉社長は、福井県生まれの相模原育ち。新磯小学校・相陽中学校、相模大野高校を経て、京都の同志社女子大学で英文学を学んだ。その後、アパレルメーカーに勤務した後、イギリスに渡りフラワーアレンジメントの世界で精力的に働いたが、イラク戦争の影響と父、土田義徳さんの勧めもあり帰国、2003年にユニテックスに入社した。営業を担当することになり、自社製品や業界のことなどを必死で勉強しながら営業に回ったそうだ。現在、中3の双子の女児を育てながら仕事をしている小杉社長は、“2100年の未来が今よりも美しい時代になっているように、地球を守っていくことは私たちの責任。普及が進む” スマートハウス“の中にLTO機器が組み込まれ、子どもたちや孫たちが健やかに生きられる環境を残せるようにしたい” と熱く語る。

 「世に中にないものを創造する」それは創業者であり父である土田義徳さんから小杉社長へしっかりと引き継がれている。価格競争に巻き込まれないニッチトップとして付加価値の高いモノづくりに取り組み、これからも世界初・唯一の製品を世の中に送り出していく小杉社長に熱いエールを贈ります!

※ ZB・・・1ZB(ゼタバイト)=10億TB(テラバイト)

代表取締役社長: 小杉 恵美(こすぎ えみ)
所 在 地:   東京都町田市中町2-2-4 ユニテックスビル
従業員数:    70 名
資 本 金:   9,000 万円
事業内容:    コンピュータストレージの開発・販売
         ■USB LTOデータ保存システム
         ■高機密データ変換・移行のシステムソリューション
         ■マルチ光ディスクシステム
         ■メディアコンバートサービス
URL:      https://www.unitex.co.jp/index.shtml
小杉社長