かわらばん

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かわらばん地域版38号 2015年9月

平野 アリストファンさん - 株式会社青電舎 -
   Hi friends! - Globalization in SIC -(ようこそ!世界の国から SIC へ) from République de Côte d'Ivoire(コートジボワール共和国)
グローバル化の波は世界中に及んでいます。日本企業にあっても海外進出はもちろんのこと社内公用語を英語にしたり、外国人を採用することも珍しくありません。SICに入居する企業にも外国の方々がたくさん働いています。このコーナーでは6回にわたり「Hi friends! Globalization in SIC」と題し、訪日されSICで活躍する方々を紹介しています。第二回目の今回は、SIC-2の株式会社青電舎にお勤めの平野 アリストファンさんです。

【アリストさんの歴史を教えてください。】
 1 9 8 0 年コートジボワール共和国の旧首都アビジャン市の生まれ。INP-HB大学在学中(電気・電子専攻)に日本への留学制度で大学を中退して2001年4月来日し相模原市内に住んでいました。新宿の文化女子大学・日本語学校で日本語を勉強し、工学院大学専門学校で電気工事技術、長岡技術科学大学で電気電子情報工学を学びました。卒業後は、神奈川の通信機器企業を経て2009年9月青電舎に入社し、昨年には日本に帰化しました。

【来日(留学)のきっかけは?】
 小学生の時に百科事典で日本の懸垂型モノレールの写真を見て、「電車が逆さになって走っている!」と衝撃を受けました。日本への興味を持った最初の出来事でした。高校の先生から、海外に留学するのであれば「日本へ行け」と助言を受け、さらに日本への関心が湧いてきました。母国とほぼ同じ面積で資源が無いのに世界第2位の経済大国であった日本については、「小学生が腕時計を組み上げられる」という凄い噂がありました。

 大学3年のある朝、寮の部屋のドア下に「日本への国費外国人留学生募集資料」が入っていて、日本に関心を持つアリストが適任、と友人が気を利かしてくれました。来日後、学生時代に千葉を訪れた時に念願のモノレールを発見し、「私を呼んだのはこれだ!」と感激しました。

【日本と母国の良いところや違いを教えてください】
 日本は、アルバイトであっても真面目に仕事に取り組みます。どんな仕事も丁寧に行います。コートジボワールは、のんびりしていて、お客様へのサービスが良くありません。しかし、人が温かく、人の世話をしたいという国民性です。「寂しい」という言葉が見当たりません。

【好きな食べ物と趣味は何ですか?】
 焼き魚、特に鮎の塩焼きが好きです。隔年で訪問する新潟の寺泊の塩焼きを楽しみにしています。外ではビール、家ではワイン。日本酒も新潟で鍛えられました。卓球、サッカー、自転車などのスポーツが好きですが、最近は時間が取りづらいため、小さい時から好きであった読書が専らの趣味です。英語・フランス語のミステリー文学、日本文学では夏目漱石や村上春樹。自分の世界に浸れるのがたまらないです。

【ご家族は?】
 4歳と2歳のかなり甘いパパで、妻と4人家族。来日時からお世話になり、多分実の両親よりも私を理解している「日本のお母さん」が相模原市内に住んでいます。母国では、9人兄弟の次男で、叔母など含め16人の大家族で育ちました。

【青電舎入社の経緯を教えてください。】
 通信機器メーカーを退職後に一時故郷に帰り、妻と出会うなど充電しました。その後、日本に戻り再就職活動は大変でしたが、ハローワークを通じて青電舎の求人案内に出会いました。面接では、権藤社長と意気投合し2時間も技術談義をしました。

【青電舎ではどんな仕事をしていますか】
 ハプテッィク(触覚技術)駆動回路などの設計業務を担っています。概ね市販の電子機器に組み込まれるものなので、信号の受け渡しや駆動回路をどのように埋め込むかなど思案するのが難しくも面白い仕事です。青電舎での仕事は、一から全てを担当していく魅力があります。仕事の責任も重いのですが、自由度が高く、自分にとっては理想的な会社です。

【将来の夢は?】
 自動車が大好きで、レンタカーに家族を乗せて全国各地を旅行しているので、会社を大きくして通勤はポルシェあるいはGT-Rか、家族を乗せられるアルファードにも乗りたい。

【好きな言葉は?】
 「十人十色」。同じ意味のフランス語の諺に、Des goût s et descouleurs, il ne faut pas discuter.( 趣味と色については議論してはならない)があります。

株式会社青電舎
代表取締役 権藤 雅彦 社員:2名 創業:2008年
業種:精密機器の開発、製造および販売(現在、独自開発した触覚技術(haptic technology)デバイスの自動車や家電 、産業機器への応用を目指した取り組みを進めている)
アリストさん
衝撃を受けた懸垂型モノレール(千葉都市モノレール)※千葉都市モノレール株式会社 WEBサイトから引用