かわらばん

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かわらばん入居版78号 2010年11月

企業をサポートし隊!!
   シリーズ企画 企業支援の現場から…アドバイザー編 第2回 人口問題とビジネスチャンス
 巷ではその人口から有望なマーケットと言われている中国ですが、多々問題を抱えているのも周知の事と思います。
 
 中国大陸人口は13億3,474万人。世界人口の約2割が中国人となる計算です。
また、海外華僑も2,800万人、香港、マカオの人口を加えるとさらに増えます。中国農村部での戸籍の無い子供(黒孩子:ヘイハイズ)という統計外の数字もかなり存在しそうです。人口問題は深刻です。

◆人口増加
 2009年の中国統計公報によると、昨年末の中国人口は、前年比で672万人増加との事です。これは北海道(約557万人)や千葉県(約620万人)を超えるものとなります。
 今ひとつピンとこないと思いますので月平均で計算しますと、月56万人毎の増加となり、これは鳥取県全人口(約59万人)や姫路市人口(53万人)に迫ります。
 今中国では、毎月姫路市クラスの都市が誕生しているということであり、これに対しエネルギー・食糧の確保が、中国政府の最優先課題になるのも頷ける所があります。

◆男女比率
 通常の男女出生比率は女100に対し男が103~107が正常範囲とされています。2009年の中国での出生比率は100対119.45とのことです。
 中国では、“後継ぎとして、働き手として、女の子は嫁ぐので”男の子が良いという考え方もあり、意図的な生み分けにより上記の出生比率となっているようです。
 この不均衡がこのまま続けば、適齢期に結婚できない男性が10人に1 人という計算となります。
 ただでさえ、「天の半分を支えるのは女性」と女性の立場の強い中国ですが、さらに女性が強くなりそうです。

◆都市と農村
 中国都市部を食糧生産で支えていたのが農村部でした。しかし地域経済格差から、農村部から都市部への人口の流出が進み、現在中国全人口の約46.6 % が都市部在住という状態になっています。ご存じの通り2004年から中国は食糧輸入国に転じ、2008年から食糧の海外輸出に関しても抑制方向です。
 今後、レアアース等に続き、食糧も輸出制限が出される可能性もあるかも知れません。

◆問題点をどう見るか
 人口問題だけでも大きな問題ですが、上記のような個々の問題も、裏を返せば以下の例の様に、ビジネスチャンスになる可能性も秘めているのでは無いでしょうか。
 ・結婚のマッチングビジネス。
 ・女性の社会台頭による、美容・健康関連商品のビジネス。
 ・安全という付加価値をつけた水耕栽培や食糧供給ビジネス。
 そこに「ビジネスチャンスあり!」と考えるか否かは、私達の大きな経営判断となる事でしょう。

SIC アドバイザー 早野 寿一