かわらばん

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かわらばん入居版87号 2011年7月

株式会社ベリフォア
   「LSI設計評価で実のあるコンサルタントを目指す」
【代表者プロフィール】
株式会社ベリフォア
代表取締役 松岡 正(まつおか ただし) 50才
大阪市生まれ 八王子市在住

 外で体を動かすことが大好きで、数年前までサッカーやフットサル、ゴルフなどを楽しんでいたそうです。山登りや写真撮影も趣味のひとつでしたが、最近はなかなか時間がとれず、移動中の新幹線で車窓から眺めるだけになってしまっているとか。
 関西に生まれ、関西をこよなく愛しています。

【起業しようと思ったきっかけは】
 大学では機械工学を専攻し、事務機器の会社に就職。機械設計に携わると思い込んでいました。しかし、電子技術者の育成が必要とされていた時期と重なったため、入社と同時に予想外のエレクトロニクス開発分野へ配属。工場設備や装置の自動化を設計・開発しました。プログラミングからハードウェアの構築、運用までを試行錯誤する中で、電子分野の可能性・面白さに目覚めていきました。
 その後、半導体専門の外資系企業に転職。アメリカやイギリスを行き来し、衛星放送用LSIやスーパーコンピュータに関わった後、半導体の新規事業を始めた関西の企業に再度転職。新しいプロセッサを独自に開発・設計する一方、動作検証も研究課題として取り組みました。大規模なシステムを作る際、設計は積み重ねてできますが、正常に動くかどうかの検証はとても重要で難しいことです。研究を知ったアメリカ半導体企業の反応は強く、半導体の検証という分野の事業性に確信を持ち、起業に向けて踏み出しました。

【事業紹介】
 開発の終了したLSIが仕様書通りに動作するか、検証する事業を行っています。
 従来、LSIを設計した大手企業では、社内に検証者を抱え検証作業を行っていました。また、外部に委託をする場合でも、どのような検証が必要か指示書を用意する必要がありました。しかし、大勢のエンジニアが関与し、部分的設計を組み合わせて統合する現代のLSI設計は、全体の最適化に問題があり、検証作業は難易度を高めています。また、不完全なまま製造されたLSIの再設計に要する時間と費用は膨大な損失となります。
 そこでベリフォアは、第三者の視点から検証を行うことで、漏れのない検証を提供します。これまでの案件で完全な設計であったLSIは皆無と言います。「効率よく、隙間なく検証できる方法・内容」を顧客に提案し実績を出すことで、顧客からは高い評価を得て、100%のリピート率となっているそうです。

【課題となっていること、苦労していること】
 同社では、仕様書から個々のプログラムまで、全体を見渡すことのできるスキルが必要です。そのため、採用できる人材がなかなか見つからず、人員の確保は起業当初からの課題となっています。しかしその分、「現在のエンジニアたちは宝」と、松岡社長は言い切ります。現にこれまでの離職者はいないとのことです。経営理念の中でも謳っていますが、社員には尊敬をもって接し、風通しのよい職場を心がけているそうです。

【これからの夢または目標は?】
 会社を大きくすることはもちろんですが、社員一人ひとりが自立した人間になることを目指しています。そうなることで“1+1=2”ではなく“1+1=3以上”の成果を上げていくことができます。「当社でずっと働いてくれてもいいし、独立してくれてもいい。それを目指すことで会社も社員も成長していくことができる」と松岡社長は熱く語りました。

株式会社ベリフォア
SIC-1 310
TEL:042-770-9250
URL:www.verifore.jp