かわらばん

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かわらばん入居版149号 2016年10月

インタープロテイン株式会社
   「一日でも早く、画期的な医薬品を届けたい」
【代表プロフィール】
インタープロテイン株式会社
取締役、最高科学責任者 兼 事業開発本部長
小松 弘嗣(こまつ ひろつぐ)
北海道生まれ、横浜市在住

【入居のきっかけは?】
 中学生の頃から生き物の体のしくみに関心を持っていた小松さんは、その後北海道大学理学部に進学し、動物生理学を専攻します。当初は理科の先生を目指していたそうですが、研究の魅力に触れたことで、卒業後は北海道を離れ大手製薬会社に入社しました。製薬会社では20年以上製薬に関する研究に従事しましたが、2006年にバイオベンチャーに転職し、インタープロテイン社には2008年4月から参画しています。

 インタープロテイン社は2001年5月に兵庫県尼崎市で設立されました。現在の本社は大阪にあり、SICには2007年10月から相模原研究室として入居されています。研究室には常勤スタッフが5名、年齢的には30代前半から70代まで、幅広いスタッフが在任されています。SICに入居以降、横浜薬科大学などの大学や研究機関、製薬会社とも連携をしながら、日々研究に取り組まれています。

【事業紹介】
 高齢化の進展や医薬品の高額化に伴い、医療費の負担軽減は社会的にも大きな課題となっています。インタープロテイン社は、たんぱく質間相互作用を阻害する化合物の探索研究を通して、安価で汎用性・革新性の高い医薬品の創出を目指しています。

 一般的に、新薬の開発にはおよそ15年はかかると言われています。確率にして、化合物では3万個から4万個に1個、プロジェクトでは50件から100件に1件程度しか成功しないほどリスクの高い厳しい世界です。SICにある相模原研究室では、生産性向上に寄与することを目指し、INTENDD と呼ばれる独自の分子設計技術を用いて、新たな創薬につながる化合物の探索研究を行っています。

【これからの夢または目標は?】
 創薬は一朝一夕に実現できるものではなく、長期的なプロジェクトになることも少なくないと話される小松さんですが、仮にご自身が現役のうちに実現できなくても、研究を次の世代に繋げていくこと、一日でも早く画期的な医薬品を社会に届けることを目標に掲げています。それには、コミュニケーションが不可欠であることも話されていました。

【取材を通じて】
 小松さんの趣味は料理や読書、音楽鑑賞など。料理は和食からイタリアンまで、そのレパートリーは多彩です。大学時代の海洋実習では獲れた魚を自ら捌いていたそうで、今でも魚捌きはお手の物です。

 また、音楽ではイーグルスなどのアメリカン・ロック、読書では村上春樹などの小説が好きだという小松さん。ただ、「休みの日でもつい仕事のことを考えてしまう」と笑みを浮かべるお顔からは、仕事への熱い想いが伝わってきました。   (SIC 樽川)

インタープロテイン株式会社
SIC-2 205 号室
TEL 042-770-9477
http://www.interprotein.com/jp/index.html
後列左から 小松 弘嗣( コマツ ヒロツグ) 事業開発本部長 池田 健( イケダ ケン) さん 田中 剛史( タナカ タケシ) さん  前列左から 川北 栄継(