自ら起業した会社、先代から引き継いだ会社を次の世代に引き継ぎ、永続させていくときに起こり得る、後継者の問題や保有する株式などの経営資源を承継するために乗り越えるべき課題を解決するための情報提供や考え方、対応の仕方についてセミナーを実施しました。

　第1回は、企業の事業承継と経営者の相続とが深く関わりあう中小企業の事業承継に的を絞り、「事業承継の基本」「相続の基本」「事業承継のための準備」を中心に事例を交えた講義を行いました。

　第2回は、現代の事業承継の現状分析を踏まえ、事業承継の「財産」「権利」「目に見えない会社の力」の三つの視点から、特に「目に見えない会社の力」に焦点を当て、事例を交えてご説明しました。また、従業員や他人への事業継承のやり方や課題についても、事例を交えて解説を行いました。最後に中小企業経営承継円滑化法の活用と「事業承継ノート」の使い方についてもご紹介しました。

　第3回は、後継者として求められる能力や後継者選びの評価軸、後継者に承継すべき最も重要なのは理念、顧客、儲ける仕組み、組織管理の仕組み、信用力といった「目に見えない会社の力」であること、また、これらを後継者に伝えるための仕組みや方法について解説しました。事業承継は後継者が若ければ若いほど成功しているデータについても言及し、最後に後継者が経営しやすい環境づくりや承継する者(去る者)の役割やあるべき姿についても事例を交えて説明しました。

　また、今後も個別に相談したいとの要望もあり、町田市の企業2社、八王子市の企業1社、計3社にフォローアップを実施し、事業承継への経緯や事業承継に向けた課題、支援への期待についてヒアリングを行いました。