横浜市都筑区に本社がある赤外線加熱関連機器や熱分析・熱物性測定機器の開発、製造、販売を行っているアドバンス理工株式会社をご紹介します。
一昨年7月に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)地熱発電技術研究開発事業に同社と宮城県にある株式会社馬渕工業所が共同で提案した「温泉の蒸気と温水を有効活用し、腐食・スケール対策を施したハイブリット小型規模発電システムの開発」が採択され、SIC-1のラボを研究開発の拠点とされています。今回は、工学博士で研究開発部の遠藤 聡(えんどう さとし)部長にお話を伺いました。
ラボでは、蒸気発電の研究開発を行っています。ボイラーで作った蒸気を利用して、発電する装置を開発しています。火力発電に使われている発電システムをランキンサイクル(注1.)と呼びます。火力発電はメガワットクラスの発電をしますが、今回発電するのは、同じ様にランキンサイクルを使って10キロワット以下の発電システムの構築を目指すものです。名付けて「温泉熱を有効活用するハイブリッド発電プロジェクト」、火力発電のミニチュア版です。
このプロジェクトは温泉の蒸気を利用するもので、これまで捨てられていた温泉蒸気を有効活用することを目的としています。現在、鳴子温泉で実証実験を行っています
が、温泉蒸気のような排熱を有効活用することは、社会貢献に繋がります。
今の目標は、早く商品化して世の中に出す事です。日本では工場の排熱・排ガスなど200℃以下の低温熱が大量に捨てられています。これまでこの熱はコスト対効果の関係で、それらの熱から電気を作るのは難しいと考えられていました。この難しい技術開発にチャレンジし、プロジェクトメンバーが「とことん電気に変える」という合言葉のもと日々精進しています。
また当社では、熱特性 / 熱物性の評価研究のために受託分析サービスの提供を行っています。触媒機能を格段に上げる可能性のある複合材料ナノ粒子などの開発のためにアークプラズマによる様々な材料のナノ粒子成膜のサンプリングも対応しています。
お客様の幅広いニーズに応えるために、カスタム的サンプリング対応も可能です。どうぞ受託分析についてお気軽にお問い合わせください。
( 注1 . )イギリスのランキン (William John Rankine 1820~1872年 ) が提唱した蒸気原動機のもっとも基本的なサイクルであり、2つの等エントロピー変化線と2つの等圧変化線からなる。
アドバンス理工株式会社
SIC-1 206号室
URL :
http://advance-riko.com/