かわらばん

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     地域企業紹介
かわらばん地域版53号 2018年1月

大沢工業株式会社
   お客様のあらゆる要望を実現させるマテハンのプロ集団!!
 各種機械の設計製作を主業とする大沢工業株式会社の大沢孝史社長を相模原市上溝の本社工場に訪ねました。

 大沢社長は埼玉県秩父市の生まれ、3歳の時に相模原市下溝へ移ってこられた。その後、地元相陽中学から東海大相模高校を経て東海大学生産機械工学科を卒業された。幼少のころから絵を描くことが好きな少年であり、そこには機械設計に繋がる必然性があったように思われる。高校時代は応援委員会(応援団)に所属、この時分に精神面や規律面が相当鍛えられたそうだ。大学では機械工学の基本を学ぶと共にゴルフ部でプロ級の腕前になるなど文武両道の青春時代を過ごされた。大学卒業後は油圧機器関連企業で約1年半の外部勤務経験(機械製造会社)を経て同社へ入社された。

 大沢孝史社長が代表取締役に就任したのは2004年11月。大手印刷会社をメイン取引先に持ちながら自社の安定的な成長を目指し新たな事業展開へのチャレンジを続けている。そんな大沢社長は永年蓄えてきた技術やノウハウを武器に3つの事業を柱としている。一つ目は同社の真骨頂でもある「他社にない機械の創造」事業である。ロータリー式家電用部品自動組立装置や電気部品自動供給装置など多種多様な開発事例を有する。二つ目はマテリアルハンドリング(マテハン)技術を最大限に活かした「食の安全搬送システム」事業。各商品に固有の識別符号を付け規律設定することで、商品を一個単位で管理できるオリジナル搬送システムを構築し、コンプライアンス強化をはじめフードテロから危機管理の意識向上といった課題解決を実現するもの。三つ目はロボット導入のための「システムインテグレーター」として、ロボットを使った設備の提案から製作までを行う事業。既に相模原市内のロボット導入企業に対し、顧客ニーズに基づく最適なシステム構築実績を有している。

 一口にロボット導入による自働化・省人化と言っても、本来、人間のやっている技術をそのままロボットへ移行できるものでもない。また、お客様の要望通りにすることが仕事ではなく、その要望の裏に隠れている問題や課題を見抜き、最適なシステムを構築することが重要。時にはお客様の要望を覆してしまうこともあるとか。「ロボットはあくまでも部品の一つ、ロボットを効果的に働かせるためには周辺装置が大事であり、最適なロボットシステムを構築するシステムインテグレーターの役割がとても重要だ」と大沢社長は語る。

 そんな中、SICが相模原市から受託しているロボット導入支援事業では、「ロボット導入支援センター」内に設置されたパラレルリンク型ロボット(デモ機)のシステム構築において同社の技術・ノウハウを投入して頂いた。

 その他、中小企業・大学研究機関・金融機関・行政や支援機関が連携するロボットビジネス推進のための地域プラットフォームとして、ロボット産業の振興やビジネス支援に取り組む「さがみはらロボットビジネス協議会」にも積極的に参画し、地域産業の活性化に貢献している。

 あらためて、半世紀にわたる業歴を有する同社が「信頼」される理由は大きく3つある。お客様のニーズを聞き、隠れている課題までも的確に捉え、最適な提案をする「創造力」。マテハンのプロとして蓄えられた技術・ノウハウなどを駆使して迅速かつ最適な設備・システムを提供する「設計力」。思惑通りにいかない場合、迅速に手を加えて問題を解決し、最適な状態にする「対応力」だ。

 今後、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少が予測される中、生産拠点や物流拠点内における自動化・省人化は喫緊の課題となっている。そうした課題などに対して「ヒアリング(打ち合わせ)⇒設計⇒制作⇒組立⇒設置⇒アフターフォロー」までを大沢工業一社で完結させる「装置一貫生産システム」は、お客様の細かなニーズにも対応でき、間接費も掛らずコストを抑えられることが他社にない同社の大きな強みだ。「お客様から喜んでもらえる設備・システムの提供」をモットーに自信をもって対応している同社は、まさにマテハンのプロ集団である。

 同社は平成26年度の「もの補助(中小企業庁)」採択に続き、平成28年度中小企業経営支援等対策費補助金(ロボット導入促進事業のためのシステムインテグレーター育成事業:経済産業省)に採択された。相模原市内ではシステムインテグレーターの数が不足している状況とのこと。そんな中、ロボット導入・自動化・省人化を促進する上で極めて大事な「システムインテグレーター育成」の先導役としても同社の果たす役割は大きい。地域産業の活性化に貢献する大沢工業はマテハンのプロ集団として、次の50年に向けて確実に前進を続けている。

注)マテリアルハンドリング:マテハン=運搬管理:原材料・製品・部材などの運搬・管理を効果的に行うための技術や手法。


大沢工業株式会社
代表取締役 大沢 孝史(おおさわ たかし)
所在地:相模原市中央区上溝1923-1
従業員数:12 名  資本金:1000 万円  売上高:2.5 億円
事業内容:工場等の自動化(FACTORY AUTOMATION)に必要な物流システムの設計、制作
及び設置、自動化機械及び省力化機械の設計製作、特定労働者派遣事業
URL : http://www.oosawa.co.jp/
大沢 孝史社長