「ワクワクする会社作り」を目指していますと明るく語るのは、相模原市中央区鹿沼台に本社を構え、精密機械・電気設計・ソフト設計を主な事業としているA Z A エンジニアリング株式会社代表取締役の長谷川孝社長だ。法人設立は1989年10月(平成元年)、今年で設立3 0周年を迎える市内企業だ。社名の由来は、A = 初めから、Z=最後まで責任を持ち、A=初心を忘れずに常に成長し続ける「A t o Z t o A」という意味が込められ、全社一丸となって挑戦する「ハイレベルな総合エンジニアリング会社」を目指している。
設立以来、真空装置の設計・開発を得意としてきた同社は、現在「エンジニアリング事業部」に加え、「アミューズメント事業部」「デザイン事業部」「コスメティック事業部」の4部門で事業展開をしている。主軸事業であり売上の6割程度を占めるエンジニアリング部門では、真空装置の設計・開発をはじめ、機械設計・電気設計・制御設計・ソフト開発・製造など幅広く事業展開し、組立冶具から自動機全体までの「構想・設計・開発・導入」すべての工程を一括して請負うことが出来るのが同社の大きな特徴だ。この一貫体制により、お客様の様々なご要望・ニーズにお応えすることはもちろん、業務の進行ごとに窓口が変わる煩わしさもなく、スピーディーかつ製造に係るコスト低減も実現している。その他、展示会・プレゼン用の3Dモデリング作成、構造物にかかる荷重や構造に生じる変位・応力・ひずみなどの関係を明らかにする構造解析なども手掛けている。このように長年にわたり培ってきた設計技術力や信頼関係などをもとに半導体製造装置メーカーをはじめ、PV,FPD、有機EL,ロボット関連の産業機械メーカーなど中小企業から大手まで数多くの優良取引先を有している。また、売上シェア30%程度を占めるアミューズメント部門では、浅草花やしきをはじめとする有名テーマパークの総合技術コンサルティング、各種遊戯及び駆動展示物の製作、演出装置の企画・開発・監修・設計・施工・認可申請・メンテナンスから労働者派遣までを手掛けている。これまで、園内イルミネーション設計、ジェットコースター立上げ支援、お化け屋敷や展示ロボットなど多くの制作例や技術協力の実績がある。
そんなAZAエンジニアリングを率いる長谷川社長は、身長180センチ超えのスリムな体型にスーツ姿がよく似合う社長だ。滋賀県出身で小学生時代からは相模原を生活基盤としており、高校時代は若干“やんちゃ”な時期もあったそうだ。就職は流量計・ホース継手製造などで実績のある株式会社リガルジョイントに入社、同社在籍中は日本電気グループ会社の技術部に派遣社員として常駐、徹夜の毎日で時には月間200時間を超える残業をこなしながら設計技術を約5年間みっちり学んだ。そして、その頃に長谷川社長がカリスマ技術者として活躍されていた宮川氏(前代表者)と知り合い、人柄と技術に惚れ込み、「一緒に仕事がしたい」と熱烈なオファーをかけたことが法人設立のきっかけだそうだ。その後、長谷川社長は、宮川前社長とともにエンジニアリング事業を中心に実績と信頼を積み重ね、2015年に代表取締役社長に就任した。
自己啓発・ビジネス本を年間150冊以上も読むなど自己研鑽に余念がない長谷川社長は、経営を学ぶ一手段として、2015年度SIC経営塾を受講、約9か月間かけて自社の事業構想(計画書)を作成。その経営基本方針には、働く社員全員が充実し「働き甲斐のある会社作り」「ワクワクする会社作り」という社員第一主義の実現を明確に示している。「その実現はかなり難しいことですが、同時にとても大切なこと」だと長谷川社長。
社員のスキルアップを目的とした様々な取組を導入、家族のため、特別な記念日に取得するメモリアル休暇の制定、仕事に最適な環境作り・BGM、健康管理の一助としたラジオ体操・健康促進手当の取り入れなどなど、社員の幸せのために良いと思われるものは何でも取り入れている。デザイン事業部が得意とする漫画を取り入れて製作したクレド(信条)では、社長の経営ビジョン・ミッションを受けて、具体的な企業価値を社員が主体的に考え作成している。また、社員同士が“自由”にディスカッションできる職場環境の再構築なども社員の「働き甲斐」に繋がっているのではないだろうか。
こうした経営基本方針をベースに代表取締役就任後の4年間で、毎年、新事業の立ち上げに挑戦。就任当時、エンジ二アリング部門のみであった同社の事業は、アミューズメント事業部、デザイン事業部、コスメティック事業部の3部門を新たに立ち上げ、従業員数は20名から40名(2倍)、取引先も5社から50社(10倍)へと大きく成長させた。売上高も1. 7億円から3. 3億円(約2倍)となり、自ら構想した事業計画を確実に実行、今年度の売上高は4億円となる見込みだ。
着実に成長を続けるAZAエンジニアリング、その強みは「30年にわたる業歴」・「30台以上ある3DCAD」そして何よりも「30人以上の優秀な技術者」のいるトリプルスリーですと長谷川社長。
代表取締役就任5年目、法人設立30年目の節目を迎える長谷川社長は、今後、デザイン部門及びコスメティック部門の充実と拡大に意欲を燃やす。他社にない品質と提案力を武器に常に前進を続けるAZAエンジニアリングの新たな挑戦はまだまだ続く。
AZA エンジニアリング株式会社
代表取締役 長谷川 孝(はせがわ たかし)
所在地:相模原市中央区鹿沼台 1-9-15 プロミティふちのべビル 3 階
従業員数:40 名
資本金:1,700 万円
売上高:3.3 億円(2017 年度実績)
事業内容: 精密機械設計・電気設計・ソフト設計全般の請負設計及び労働者派遣・加工・製作・組立・強度解析等の業務・翻訳、図面作成・3Dモデル作成(アニメーション)、遊園地&テーマパークの技術コンサルタント事業、イラスト&デザイン事業、コスメティック事業
URL:
https://www.aza-eng.co.jp/