かわらばん入居版88号 2011年8月
株式会社ザック
 「プリント基板の技術サポートカンパニー」
【代表者プロフィール】
株式会社ザック
代表取締役 野地 欣久(のじ よしひさ) 50才
東京都生まれ 相模原市緑区在住
自転車に乗ることが大好きです。毎朝5時30分に起床し、1時間走っているそうです。最近は、料理も息抜きの一つに加わり、調味料やトッピングにこだわって楽しんでいます。炊飯器が壊れたのを機に圧力鍋でお米を炊くようになり、お米のおいしさに改めて目覚めたとか。悩みの種は、たくさん食べてしまうので、たくさん走っても、なかなか体型を維持できないことだそうです。
【起業しようと思ったきっかけは】
文系の学部を卒業後、学校事務員や美術館リーフレット等の編集会社を経て、プリント基板関係の薬品商社に就職しました。薬品については初心者でしたが、「勉強する気になればなんでもできる会社」という社長の言葉に魅かれ、営業担当として働きながら知識を蓄えていきました。
当時、その商社ではアメリカより輸入した薬品を販売していました。残念ながら日本のプリント基板工場の使様に合わなかったようで、販売するたびにクレームの嵐でした。謝罪のため、全国に出張したことが今でも忘れられません。既に顧客のニーズは把握していたため、自社で薬品開発をすることになりました。その時プロジェクトチームのリーダーに任命されたのが薬品製造への第一歩でした。
薬品開発には半年以上かかりました。しかし、製造しながらお客様にテスト使用していただき、ご意見などをまた製品に反映し・・・ということを繰り返していくうちに、製品の完成度は高まっていきました。
その会社では、5年間社長を務めました。その間に社長就任時に目標に掲げた売り上げを達成し、後継者も育ちました。
かねてより、プリント基板関係の専門的な薬品開発を中核とし、製造工程全般のサポートをしたいという思いを持っており、良い頃合と判断し、起業しました。
【事業紹介】
当社ではプリント基板関係の薬品開発を行っています。
具体的にはドライフィルムを剥離する工程で使用する添加剤や、洗浄剤などです。最近は液晶の製造に使う剥離剤も研究・開発しています。また、海外でのプリント基板工場で発生する廃液の廃棄物関連法改正に伴う処理方法の提案や、コスト削減の提案などを行っています。
薬品は大量に作らないと、なかなか儲けの出ない製品です。しかし、製造過程で出てくる様々な問題点を突き詰めていく中で、専門性が出てくると考えます。大量生産しお客様に合わせてもらうのではなく、お客様の希望に合わせた研究・開発・提案を行い、ご満足いただくようにしています。
【課題となっていること、苦労していること】
プリント基板業界は先行きが不鮮明です。製造する場所はどんどん海外に移転し、国内の生産量は10年後には30~35%まで減るのではないかと考えています。しかしそれに伴い、日本の基板メーカーの海外工場で薬品の現地調達も進み、日本企業の好みを知る薬品商社が必要になってきます。
チャンスは必ずあるので、それを活かせるように人員を増やしていくことが課題です。
【これからの夢または目標は?】
自社の研究所や小規模なテスト工場を持ち、お客様の改善要望にリアルタイムで答えていきたいです。
また、現在は秘密保持契約や契約書の関係で、社名の出せない仕事がほとんどなので、「こんなものを作っているんだ」と社名が広く認知されるような自社製品を開発してきたいと思っています。
株式会社ザック
SIC-1 316
TEL:042-770-9906
URL:www.zach.jp
※社名の由来:「ZACH」という社名は、Z(アルファベットの終わり)、A(アルファベットの始まり)、CHemical(化学)を組み合わせ、「終わりなく化学に挑戦していく」という意味がこめられている。