今年2月に会社を設立されたSIC-2の302号室「株式会社生物資源応用研究所」さんをご紹介します。
■代表プロフィール
株式会社 生物資源応用研究所
(Bioresource Application Institute, Co. Ltd.)
代表取締役 櫻川 宣男(さくらがわ のりお)さん
小児神経科の医師から研究者へと二足のわらじをはいて
新潟県生まれの66歳
趣味は、以前はゴルフとテニスでしたが、現在はカラオケ。
行きつけのお店や近隣の友人からのカラオケのお誘いが、また楽しからずやですね!!
■起業しようと思ったきっかけは?
国立精神・神経センターを定年退職後もライフワークである再生医療の研究を続ける中、平成16年度に「羊膜由来幹細胞を用いた細胞遺伝子治療用の細胞ベクターの研究開発」で、科学技術振興機構(JST)の大学発ベンチャー創出推進プロジェクトに採択された事がきっかけです。
小児神経科医であった頃、“ライソゾーム病(先天性代謝異常症の疾患群)”に対する治療法が確立されていませんでした。そこで、1972年に渡米し、1974年より米国の国立保健研究所(NIH)でライソゾーム病のモデル動物の作成に成功しました。帰国後、ライソゾーム病の患児に羊膜組織移植術を本邦で最初に施行して、著名な改善を報告しました。1990年頃から羊膜由来細胞の再生医療への応用研究を開始し、およそ20年に渡りその研究に情熱を傾けてきました。
■事業紹介
1.バイオサイエンス事業
可溶化羊膜の製造及び販売、可溶化羊膜を素材とする人工膜の製造及び販売(研究用)
2.研究開発
羊膜由来の幹細胞を再生医療に応用する開発研究。
可溶化羊膜を中心とした生物資源を、医療および獣医畜産領域に応用するための基礎研究および製品の開発。
◆羊膜由来の細胞と可溶化羊膜とは?◆
生物資源の中でも羊膜は特殊な組織であり、羊膜より分離・培養される細胞は多分化能をもつ幹細胞を保有し、他家移植による急性拒絶を惹起しない細胞です。
可溶化羊膜は3層の羊膜のうち、細胞外基質を溶液化して凍結・乾燥した製品です。可溶化羊膜でコートした培養皿は細胞増殖を促進する作用があり、また哺乳類の未成熟卵の対外成熟培養(IVM; invitro maturation)にも有効です。
■一番苦労していることは?
羊膜由来の幹細胞の分離、培養法を確立したが、再生医療に有望な一つの候補細胞として認知されるように努力をしています。本細胞が優れた細胞であることが公知されて、再生医療の臨床の場でひろく実用化されることを期待して、地道に基礎研究を進めています。さらに、製品化してゆく過程で生じる様々な技術的問題をクリアーしていく必要があります。
■これからの目標は?
羊膜由来の細胞および組織が再生医療に実用化されて、難病の治療に貢献するまで現役でまだまだ頑張ります。
【製品情報】
FUNAKOSHI NEWS( フナコシニュース)2008年9月15 日号(Page10)
( 株) 生物資源応用研究所
ホームページ:
http://www.bio-appli.com(近日アップ予定。)