【代表プロフィール】
ミクロ吸盤応用研究所
代表 桑畑 克彦(くわはた かつひこ)
宮崎県出身、相模原市在住
【創業の経緯は?】
長年製紙業界で粘着素材に関する仕事をしてきた桑畑さん。定年退職後、自らの経験を活かし開発した“ミクロ吸盤”技術を事業化するため、平成23年にミクロ吸盤応用研究所を設立されました。SICには平成23年7月より、Desk10に入会されています。
「諦めない情熱が道を拓く」を経営理念に掲げる同社。創業7年目を迎えた今でも、ミクロ吸盤のさらなる可能性を探りながら、日夜営業活動や製品開発に取り組まれています。
【事業紹介】
ミクロ吸盤とは、ミクロンサイズの小さな吸盤の集合体であり、糊(のり)など従来の粘着素材とは全く異なる画期的な吸着シートです。特徴として、①糊などを使わずに自己吸着できること、②再利用が可能であること、③剥がしたあとに跡が残らず、構造上施工時の失敗も起きにくいことなどが挙げられます。微小な気泡を含む特殊薄膜吸盤層をシートにコーティングすることで、これらの特徴を実現させています。
また、ガラスや木材、紙、段ボール、樹脂板、金属板、コンクリートなどの平滑面はもちろん凹凸面の多種多様な素材への吸着が可能であり、多くの場面・用途に応じた活用が期待されています。
ミクロ吸盤応用研究所では、このミクロ吸盤の用途開発と技術供与、製品の共同研究開発などの機能を担うとともに、自社開発製品の製造・販売も行っています。例えば、LEDパネル向けに開発したバックライトシートは、一般のレーザープリンターによる印刷が可能であり、光拡散効果を持つ特性から、誰でも簡単に電飾広告として活用することができるといいます。本シート以外にも、片面をミクロ吸盤で施した両面テープ「きゅうばん君」など、桑畑さんのアイデアやユーザーの声から生まれた様々な製品を開発・販売しています。
最近では国内上場企業と提携したラベル製品を展開するとともに、中国など海外からの引き合いも増えてきており、国内外を問わず、ミクロ吸盤への注目度が高まっています。
【これからの夢または目標は?】
ミクロ吸盤の技術を社会に広めていく。そんな目標を掲げる桑畑さんにとって、他社と連携した製品開発も重要な取り組みの一つです。
「娘を嫁に送り出すような気持ちになる」
と語られたそのひと言には、ご自身が開発した技術が社会に受け入れられ、広まっていくことへの喜びも伝わってきます。
【取材を通じて】
今でも仕事中心の生活ですが、最近ではご家族や高校時代の友人の方々と中国・大連市に旅行し、楽しいひと時を過ごされたそうです。 「これからはお世話になった人や故郷に恩返しをしていきたい」と語る桑畑さん。取材を通じて、感謝の気持ちを忘れず、仕事への情熱も絶やさない姿勢が、ミクロ吸盤の新たな可能性を切り拓くことにつながっていくように感じられました。(SIC 樽川)
ミクロ吸盤応用研究所
Desk10
E-mail :
info@mq-lab.com