プロジェクション型映像機器の基幹部品となる独自のMEMSデジタル・マイクロミラーの開発を行なっているIGNITE株式会社の鳥飼俊敬取締役にお話を伺いました。鳥飼さんは「相模原ラボ」の責任者として、MEMS(マイクロマシーン)半導体技術、およびその製品開発を行なっています。
同社は、米国ピッツバーグに本社を置くIron City Micro Display,Inc.の現地法人として2017年10月に設立しました。本社は都内にあり、本格的な研究開発が進む中で、設計や試作品の評価をするための作業環境が必要となり、交通アクセスの良さもあってSICに入居されました。
開発中のMEMSデジタル・マイクロミラーの基礎となる研究は、Iron City Micro Display,Inc.で行ったもので、その基礎研究を活かし、日本国内でもその実用化に向けて製品開発を推進しています。
新たな映像技術として期待されているプロジェクション技術は、映像で新しいライフスタイルの創造を実現させます。たとえば、車載関連では、ヘッドライトが単なる光の投影ではなく、歩行者や対向車など周囲に安全喚起を促す“路面描写機能”を持つスマートヘッドライトの実現に向けて開発が進んでいます。
また、壁などに映像が現れるプロジェクション型ディスプレイ、いわゆるデジタルウォールはこれからの生活の中で当たり前になるかもしれません。その他にもデジタルサイネージなどでもプロジェクション技術の応用が期待され、そのコア技術の確立のため、IGNITE社は研究開発を進めています。
鳥飼さんは、「今後の目標として、まずは現在取り掛かっている研究開発を成功させなければなりません。かつてエレクトロニクス業界における日本の技術力は世界を凌駕(りょうが)しましたが、昨今、液晶テレビや有機ELなどは海外勢に押されています。そのような中、『新たな映像技術で世界を変え、日本のエレクトロニクス産業をはじめとするものづくり業界を活性化させる一翼を担いたい』」と話されました。
IGNITE 株式会社 相模原ラボ
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