デジタル無線製品の開発・製造を行うRonkジャパン株式会社の高山建社長にお話を伺いました。
上海の大学で電子工学を学び、卒業後は宇宙開発関連の実務に携わってきた高山社長。1991年に研修生として来日し、15年間にわたり大手電機メーカーなどで日本のものづくりを学びました。その後、中国と日本の架け橋となるビジネスに可能性を感じ、2006年6月にRonkジャパン株式会社を設立しました。SI Cには、創業時より入居しています。
当初は、中国人エンジニアの人材派遣やメカトロ機器・電子機器部品などの受託開発に取り組んでいました。その後、自社の強みである「デジタル無線技術」を活かした製品開発に注力。その結果、デジタルワイヤレスの常識を破る「デジタル低遅延無線モジュール」の開発に成功しました。その後も積極的な製品開発に取り組んできた同社の製品は、大手企業を含む様々な企業で採用されています。
現在のコロナ禍においては、同社の「デジタルワイヤレスガイドシステム」が注目を集めています。本製品は、従来のアナログ機が抱えていた「音質」や「ノイズ」、「混信」などの課題が解消されており、マスクをしたままでもクリアなデジタル音質が実現されています。また、従来製品に比べて受信機が軽量かつコンパクトであり、IDカード感覚で使用することができます。さらに、他社製品に比べて低価格なため、休業からの再起を図る中小事業者が導入しやすい点も特長です。
事例として、工場見学や美術館での説明に加えて、教会や介護施設での導入実績もあるなど、活躍の場は多岐にわたります。また、外国人向けの観光案内や国際会議では、スマートフォンのBluetooth機能と翻訳アプリにより同時通訳システムとしても活用できるなど、幅広い使い方ができる点も好評を得ています。
本年6月には、新たに「デジタルワイヤレスイヤーモニターシステム」を開発・発売しました。音楽ライブやレコーディング、楽器演奏の練習などでの利用を想定している同製品。超低遅延でノイズレス、音質劣化を防ぐ非圧縮伝送による24bit/96kHzステレオ音質の実現など、多くの特長を持っています。中でも画期的なのは、同一チャンネルであれば無制限にレシーバーを増設できる点です。一般的なバンド構成であれば、多人数で同じソースのモニターが可能です。また、合唱団のような大きな編成であっても、同様にワイヤレスでモニタリングすることができます。
そのほかにも、R/MONO機能を搭載しており、片チャンネルのみをモニターするなどのフレキシブルな使用にも対応可能です。また、チャンネル自動サーチ機能も搭載しており、電源を入れるたびに都度ペアリングする手間も省けます。ガイドシステムと同様に、アイデア次第で様々な使い方ができる点が、本製品のポイントにもなっています。
Ronkジャパン社では、これからも独自のデジタル無線技術を活かし、顧客や社会の声をヒントに、多様な技術・製品開発に取り組んでいきます。
Ronk ジャパン株式会社
SIC-2 Creation Lab. 208 号室
URL:
https://ronk-jp.com/