電磁場解析を中心とした科学技術計算サービスを提供する株式会社ミューテックの野島洋一社長にお話を伺いました。
情報システム関連企業で応力・熱・電磁場の解析ソフト開発に従事していた野島社長。40代の頃に起業を決意し、2002年7月にミューテック社を設立しました。SICには、2020年2月より入居しています。
製品開発などの現場では、実物を作る前に設計の妥当性・性能試験・最適形状・最適条件などをシミュレーションにより検討することが重要なため、コンピュータによる解析技術である“CAE”( Computer Aided Engineering)が広く活用されています。しかしながら、CAEには専門的な知識が必要になることから、その活用にハードルを感じている企業も少なくありません。そこで、ミューテック社では、電磁場解析を中心とした“科学技術計算ソフトの開発・販売・保守”や“受託解析・開発”、“CAEコンサルティング”などの事業を通して、CAEを身近に活用するための解決策を提案しています。最近では、電磁場解析に留まらず、熱・構造解析などにも領域を広げており、幅広い課題に対応したソフトを開発しています。
例えば、同社が開発したEV(電気自動車)用モータの低損失・高効率化解析が可能なベクトル磁気特性解析ソフト「μ-E&S」では、モータコアの回転磁束下の鉄損を正確にシミュレーションすることができます。本技術は、大分大学榎園教授が開発したベクトル磁気特性理論によるもので、最近話題を集めている”モータ飛行機“にも応用されています。
また、E xcelベースの熱・構造・電磁場解析ソフト「μ-Excel」は、『解析ソフトは高額』という常識を覆す低価格ソフトで、Excel上で動作するため使い慣れた操作感で本格的なシミュレーションが可能となっています。同製品はサブスクリプションサービスも提供されているなど、手軽に利用できる点も特長です。
同社の技術は、市民共有のインフラである土木構造物、中でも橋梁を中心とした鋼構造物の分野でも活かされています。具体的には、橋の防食塗装の場面で必要な旧塗装の除去に際して、誘導加熱法(RPR工法)という剥離法が注目されており、この研究に取り組む大阪大学廣畑准教授の研究室で同社の3次元誘導加熱および温度解析ソフト「μ-TM」が役立てられています。
そのほか、各回1社限定によるセミナーを毎月2回程度開催しており、そこでは製品紹介だけでなく、企業ごとの課題に応じたテーマの解説や情報交換を行っています。さらに、毎月第2水曜日に配信しているメールマガジンやYoutubeチャンネルを通して、製品情報や解析技術情報などの情報発信にも積極的に取り組んでいます。特にメールマガジンのユーザー訪問記は、毎回大きな反響を呼んでいます。
ミューテック社では、電磁場・熱・構造解析分野における知識・経験豊富なスタッフが一丸となり、これからも「丁寧に・迅速に・しかも納得のいく価格」で顧客の課題解決を後押ししていきます。
株式会社ミューテック
SIC-2 Creation Lab. 504 号室
URL:
https://www.mutec.org/