【Desk10会員プロフィール】
株式会社S.Design Create
代表取締役 清水 裕介(しみず ゆうすけ)
【代表者の経歴】
都立航空高専(現 都立産技高専)で“ものづくり”を学んだ清水さん。設計事務所で水処理装置やボールペン自動組立装置などの設計に携わり腕を磨いた後、カメラで有名な株式会社ニコンに転職。
その後、約30年間にわたり、カメラの生産設備や半導体関係の検査装置など、様々な設備・治工具の設計に携わってきました。
同社を早期退職後、平成30年にSICが運営するさがみはらロボット導入支援センターのコーディネーターに就任。ニコン時代に培った技術力を活かし、自動化をはじめとした中小企業の課題解決に貢献してきました。現在は、コーディネーター業務と並行し、S.Design Createとして、治工具の設計・製作事業を展開しています。
【事業内容】
同社では、メカ主体の生産設備や治工具設計に関する豊富な知見・経験を強みに、製造業からサービス業に至るまで、幅広い業種からの相談に対応しています。設計時は完成品のイメージがつかみやすい3D図面で提案しているほか、3Dプリンターによる試作や実際の装置製作までサポート。さらに、老朽化した装置や工具の修理にも対応でき、中小企業にはとても頼りになる存在です。
普段は、ロボットSIerから設計業務を受託することも多いそうです。高度な設計力が求められる開発案件であっても、清水さんの手にかかれば最適な提案を実現できると高い評価を受けています。また、最近では、障がいを持つ方の仕事を支援する治具の製作にも力を入れています。ちょっとした工夫で、それまではできなかった作業ができるようになったり、作業が楽になったりすることもあります。障がいの有無や利き手を問わず使用できるなど、ユニバーサルデザインにも配慮した設計を心掛けており、マイクロフォンのコード巻き取り治具を製作し作業改善につながった事例もあります。
「現場で作業している人の感覚が大事」と語る清水さん。普段からその設備を扱っているからこそ、小さな異変にも気づくことができます。同じように、現場の悩みは現場の方が誰よりもよく知っています。だからこそ、治具の開発を進めるうえでは、作業者の話もじっくりと聞くようにしているそうです。
【今後の目標】
アイデアや工夫次第で解決できる問題はたくさんあります。「自社の治工具で、“できない”を減らしていくこと」を目標に掲げる清水さん。本年10月には株式会社化し、ご子息の峻平さんとともに、事業基盤の強化を進めていきます。
【取材を通して】
ニコンのタイ工場に複数回の長期出張経験がある清水さんは、同社退職直前の時期から約4年間、日本語学校の教師としても活躍していました。ご自身も必死にタイ語を学んだ経験があったことから、生徒の目線に立った授業は留学生の皆さんにも好評だったようです。
常に現場に寄り添い、実際に作業する方々の声を大切にする清水さん。取材を通して、清水さんが作る治具には、“技術力”だけでなく、現場を想う“やさしさ”も込められていると感じました。(SIC樽川)
株式会社S.Design Create
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https://sdesigncreate.info/