【入居者プロフィール】
株式会社Puerto(プエルト)
代表取締役 本田 寿明(ほんだ としあき)
本田さんは相模原市緑区三ケ木出身で、幼いころは自然に囲まれた環境で川遊びに夢中になっていたとのこと。小学校・中学校では野球を、高校ではバスケット部に所属し、現在でもジョギングやジムで体を動かすことを怠らず、また、仕事でも必要な英語の勉強も続けています。2020年に名古屋工業大学大学院の社会工学専攻に進み、現在は博士後期課程で学位取得のための論文作成も行いながら事業に取り組んでいます。
【創業・入居の経緯】
社会人となってから大手搬送メーカーのシステム開発に携わりました。FAや産業プラントでは装置や機器がネットワーク化され、それぞれの制御や管理が一元化され、IoTの進展により制御や管理技術革新が進む一方、セキュリティに関する課題が顕在化していました。本田さんもどのようにしてセキュリティを高めるかに腐心していた時、OPC UA※を知りました。難しい規格ではあるものの、インダストリー4.0といった、一企業内にとどまらず、製造業同士がネットワークでつながり、生産活動の合理化が叫ばれる中で、OPC UAは今後、すべての製造業に必要となると考え、その普及のために自身が創業することを決意しました。社名の由来はスペイン語のpuerto(港)で、独自の技術で世界に光を照らす会社を目指すという思いが込められています。2015年にDesk10で事業を開始、その後、町田市内に拠点を移し、さらなる事業拡大を目指してStartup Lab.のセミラボに入居しました。
※OPC UA(OPC Unified Architecture):
産業オートメーションなどの業界で、安全で信頼性あるデータ交換を行うために策定されたオープンな国際標準規格で、OPC Foundationが2008年に発表、その後IEC62541として国際標準化された。
【事業内容】
Puerto社の主な事業内容は、世界的に導入が始まっているOPC UAに準拠した不正コマンドの監視システムの開発と、製造業などを対象としたセキュリティ全般におけるコンサルティングです。近年のサイバー攻撃ではPCを乗っ取り、正規ユーザになりすまして不正コマンドを送信し、稼働中のシステムを制御不能な状態にすることなども発生しています。OPC UAはすでに大手メーカーなどが導入を進めていく中、運用面では高度な技術、知見が要求され、欧米では先行して実装されていますが、日本は独自規格を推し進めていたこともあってこれから採用していく企業も少なくありません。そのような状況の中、Puerto社では名古屋工業大学やIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の産業サイバーセキュリティセンターとも連携しながら、日常の生産活動をサイバー攻撃から守るための研究開発を進めています。
【これからの目標】
世界中のデータが安全に守られる“通信の民主化”を実現するため、Puerto社は邁進していきます。本田さんは産業オートメーションの安全で信頼性ある相互接続を実現するグローバル組織であるOPC Foundationの複数のワーキンググループに参画しながら、標準規格の作成や製品認証にも協力しています。また、OPC UAに関するワークショップやセミナーの講師も務めていて、今後は現場で活用できる教育プログラムのビジネス化にも取り組んでいきます。
株式会社Puerto
SIC-1 Startup Lab. 1206号室
URL
https://ipuerto.co.jp/
※ホームページ内にお問い合わせフォームがあります。