【Desk10会員プロフィール】
インテグリアル株式会社
代表取締役 永田 記章(ながた のりあき)
【代表者の経歴】
大学ではマーケティングを学んだ永田さん。卒業後は搬送機器メーカーで機械オペレーターや営業を経験。その後、技術商社に転職し、製薬業界向けの製剤機械など大規模案件のプロジェクトマネージャーとして活躍しました。直近は、世界的ロボットメーカーのSIer事業担当として、主に三品業界(医薬品・化粧品・食品)向けロボットシステムの構想設計などに携わっていました。
【創業の経緯】
令和5年1月、製造業の包括的なサポートを行うインテグリアル株式会社を設立。同年2月末で勤務先を退職し、3月から本格的に事業を開始しました。
とあるラジオ番組で「中小企業診断士」という資格を知り、学生の頃最も苦手だった「財務・会計」のテキストを敢えて手に取ったところ、自分が提案してきた生産設備やロボットシステムとファイナンス理論などが表裏一体であることに気づいたといいます。結局中小企業診断士の受験は行わず、財務・会計の部分のみを深堀して学ばれたそうです。コロナ禍でこれからの仕事について考える中、この経験がのちの創業につながりました。
【事業内容】
同社では、製造業を対象とした①ファクトリー・オートメーション機器の構想設計、②コンサルティング、③ファイナンス戦略サービスなどの事業を展開しています。コンサルティングでは、上場企業から町工場まですでに複数のクライアントを抱えています。また、商品開発や販路開拓、輸出ビジネスの立ち上げ、経営戦略の策定など、支援内容は多岐にわたります。「話を聞いていくと、企業が認識している課題が問題の根幹ではないことがある。コンサルティングを通して、課題の優先順位をつけ、アクションを起こす手助けになれば」と語ります。
ファイナンス戦略サービスでは、設備投資効果を可視化するシミュレーターを開発し、製造業の意思決定を後押しするサービスの実現を目指しています。中小製造業では、自動化を検討・計画するものの、投資に踏み切れず機を逸してしまうケースが少なくありません。同社のシミュレーターで投資効果を可視化できれば、その情報を意思決定や資金調達に活用できます。現在は、年内のリリースを目指し、開発を進めているところです。
【今後の展望】
製造業の生産性向上を突き詰めると、高齢化や事業承継の問題が見え隠れすることも多く、ファイナンス分野での支援の一環として企業価値算定や事業承継のFA(ファイナンシャルアドバイザー)をおこなうためのM&Aプランナーの資格も取得した永田さん。さらに今年5月にドイツの展示会にも行かれたようで、日本の製造業がDX分野で大きく遅れをとっている現実を痛感したそうです。
同社では、“製造業のエコシステムの駆動源になる”をビジョンに掲げ、製造業の経営全般を俯瞰した支援により一層力を注いでいきます。
【取材を通して】
英語が堪能な永田さんには、オーストラリアの大学で日本語のアシスタントティーチャーを務めた経験もあります。取材を通して、グローバルな視点で製造業の課題と向き合う永田さんが、相模原、そしてSICにいることの心強さを実感しました(SIC 樽川)
インテグリアル株式会社
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noriaki.nagata@integrial.jp