工業材料として用いられる金属の切断や溶接を行う高出力レーザ加工機の輸入・販売、メンテナンスを行うレーザ技術サービス株式会社は、令和元年9月に設立しました。その代表である田口孝美社長にお話を伺いました。
大学は理工学部精密機械学科に進み、レーザ研究室で先端技術を学び、卒業後は外資系の企業でレーザ発振器の開発や、装置の販売、アフターサービスまで一通りの業務に従事しました。定年を迎える時期になり、自身の経験を活かし、これからさらに普及が進むレーザ業界での事業を行うため起業を決意しました。
同社が取り扱う製品はPentaLaser社(イタリア資本の中国企業)製で、固体レーザの一種であるファイバーレーザを用いています。多岐にわたるレーザの中でも、高いエネルギー変換効率と、光軸ズレがない安定性が特長で、ビーム品質に優れています。最高速を実現するハイパワーファイバーレーザ切断機“BOLT” は最大出力が60kw で、ステンレス315mm、軟鋼160mm、アルミ260mm の切断が可能なハイエンド装置。超高速切断、バリのない超高速穴あけ、ベベル切断、精密カットも可能で、パワーと精密さを兼ね備えた加工機として、引き合いを増やしています。最新モデルとして販売を開始したのはファイバーレーザ切断機“SWING” で、選りすぐりの機能を揃えた費用対効果の高いライトモデルと位置付けています。
PentaLaser 社の日本総代理店となってから販売数を着実に伸ばしているのはハンディファイバーレーザ溶接機“HW1000” で、競合製品と比較して低価格でありながら、コンパクトでハイパワーな仕様です。ダブルワイヤーフィーダー対応型“HW2000” もラインナップ化し、拡販を図りつつも、加工機は同社内で全数検査・調整を行ってから顧客に納品します。「安全第一」をモットーとする同社は、導入先から技術サービス面からも高い評価を得ています。
自動化ニーズに対応して加工機とロボットを組み合わせたシステムでの販売も開始し、FANUC製協働ロボットによる自動化されたHWシリーズは、関東圏や関西圏で展示会や実演会を積極的に実施しています。
ものづくり現場のニーズを捉えた加工機の販売ときめ細やかなサービスの提供、これらは田口さんがこれまでにレーザ業界で培った経験と知見によるものです。工業用レーザの黎明期から、レーザ一筋で歩んできた田口さんの果敢な挑戦はさらに加速度を増し、続いていきます。
レーザ技術サービス株式会社
SIC1 Startup Lab.1204号室
https://laserts.com/