かわらばん

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     入居企業紹介
かわらばん入居版241号 2024年6月

株式会社食機能探索研究所BABILON
   「アブラ」の研究を通じて社会を健康に!
【入居企業プロフィール】
株式会社食機能探索研究所BABILON
代表取締役 守口 徹(もりぐち とおる)

 株式会社食機能探索研究所BABILON(以下BABILON社)は、2024年4月に設立された麻布大学発ベンチャー企業です。同社は、私たちの健康維持に不可欠な「アブラ」、特に魚介類に多く含まれるDHAに代表される「オメガ3系脂肪酸」に関連する研究や情報提供サービスを通じて、社会の健康増進に寄与することを目指して設立されました。代表を務める守口徹社長は、2024年3月まで麻布大学生命・環境科学部教授を務め、日本脂質栄養学会の現理事長であるオメガ3系脂肪酸研究の第一人者です。今回は、守口社長とともにオメガ3系脂肪酸の研究に長く携わってきた取締役の原馬明子氏も交えてお話を伺いました。

【アブラへの関心を高めることを目指して】
 近年、DHAを使ったサプリメントの普及などによって、健康維持のために重要な役割を果たす「アブラ」もあることが一般の人にも広く知られるようになりました。しかし、そうした脂質を普段の食生活に積極的に取り入れようとする習慣が定着しているとまでは言い難く、取り入れたとしても自分の身体にどのような良い変化が起こっているのかを実感することが難しいという現実があります。そこでBABILON社では、脂質を身体に取り入れた際の変化を簡単に把握することができる検査キットの開発に着手しました。この検査キットによって体内の脂肪酸「アブラ」のバランスを可視化できるようにすることで、一般の人の脂質に対するポジティブな関心がますます高まり、日々の生活の改善を意識することが社会全体の健康増進につながると守口社長は語ります。

【BABILON社の事業内容】
 具体的にはBABILON社は現在、乾燥血液の簡易検査キットの開発および検査サービスの展開に取り組んでいます。病院に行くのではなく、セルフメディケーション式の検査キットです。ただし、従来の乾燥血液検査キットは、検査結果が判明するまで1か月以上の時間を要する上、検査直前の食事内容に結果が左右されてしまうという課題があります。継続的な脂質の摂取による健康への影響は、過去数か月の食生活を反映したデータをもって判断するのが望ましいものの、従来の乾燥血液の簡易検査キットではそうしたデータの取得が難しいのです。一方、現在BABILON社が開発している検査キットは、同社独自の技術を活かすことにより、その長期的なデータの取得を実現させるもので、加えて検査結果が出るまでの時間も大幅に短縮することが可能です。検査キットの価格も数千円程度とリーズナブルに設定する予定で、2024年内のサービス開始を計画しています。

【今後の展開】
 「少子高齢化により医療費の増大が社会問題化する中、セルフメディケーション市場は急速に拡大しており、当社の検査サービスへのニーズや期待も大きいと考えています」と語る取締役の原馬氏。同社の乾燥血液検査技術は人間だけではく動物にも応用可能であるとのことで、将来的にはペットの健康に関する市場にも参入することも視野に入れています。「 誰もが手軽かつ正確に自分の健康状態の変化を把握することができるようになります。乾燥血液の簡易検査キットビジネスの拡大はもちろん、オメガ3系脂肪酸の健康効果をより広めていきたい」と意気込む守口社長。麻布大学は相模原市内に本拠地を置く大学であり、相模原地域発の大学発ベンチャー企業として、今後の活躍が期待されます。

株式会社食機能探索研究所BABILON
SIC-1 Startup Lab. 1210号室
URL:https://babilon.jp/
※ホームページ内にお問い合わせフォームがあります。
左から星研究員、原馬取締役、守口代表取締役、西田研究員
ガスクロマトグラフィーで36種の脂肪酸の分析が可能