「OPC UA」をはじめとした工業用IoT 技術に関する開発や教育、コンサルティング事業などを手掛ける株式会社Puertoの本田寿明社長にお話を伺いました。
【Puerto とは?】
近年、インダストリー4.0 の実現に向けて、工場のIoT化が進んでいます。しかし、多くの産業用機器が独自の通信規格を採用しているため、機器間のデータ連携が難しく、セキュリティ上の問題を抱えていました。そこで、汎用性と柔軟性が高く、セキュリティリスクにも対応した国際通信規格「OPC UA」が、海外を中心に普及し始めています。
Puerto では、OPC UA の導入検討企業に対して、企画や開発、教育、コンサルティングなど、段階に応じて様々なサポートを展開しています。本規格の専門施設は国内でも珍しく、大手メーカーを中心に日々多くの相談が舞い込んでいます。
【OPC UA の活用分野は?】
多種多様なシステムやロボットが共通して通信できることから、世界中の工場で利用されています。日本では、主に石油プラントや環境プラント、再生可能エネルギーの発電システム、自動車工場などで利用されており、通信・セキュリティ面で社会基盤を支える役割を担っています。
【なぜ教育事業も手掛けるのか?】
OPC UA が誕生してから15 年以上経ちますが、これまでは「技術自体が難しい」「産業分野でセキュリティは不要」と考えられてきたため、普及が進んでいませんでした。しかし、セキュリティの重要性が年々高まっていることから、日本でもOPC UA の教育に取り組むことで普及を後押しする必要性があると考え、教育事業を強化してきました。
現在では、SIC の橋本ラボ内に「UA Campus」を開設して、評価・試験設備を活用した教育サービスを提供しています。オンラインとオフライン(実技体験)を組み合わせることで、効果的な教育が可能になります。また、「UA Academy」では、セキュリティに関する様々なセミナーを開催しています。
【SIC を選んだ理由は?】
平成27 年(2015 年)の法人設立にあわせて、SIC のDesk10 に入会しました。その後、町田市内に拠点を移しましたが、事業拡大に伴い、SIC-1 Startup Lab. のセミラボに入居して、「橋本ラボ」を開設することになりました。
橋本ラボでは、模擬プラントを設置するなど、評価・試験環境を整備しています。これによって、企画・開発と人材教育を並行して進めることができるようになり、企業からの評価も高まりました。
【社名の由来とこれからの目標は?】
「Puerto」には、スペイン語で「港」という意味があります。この社名には、独自の技術で世界に光を照らしたい、そんな想いを込めています。
海外では産業界でもシステムの国際化が日進月歩で進んでいます。Puertoでは、海外に遅れることなく、国内でOPC UA を普及させることを通して、日本のものづくりに貢献していきたいと考えています。
株式会社Puerto
SIC-1 Startup Lab. 1206 号室
https://ipuerto.co.jp/