かわらばん

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     入居企業紹介
かわらばん入居版253号 2025年6月

株式会社シルクリ技研
   「測る」を通して社会課題の解決に貢献する!!
【入居企業プロフィール】
株式会社シルクリ技研
代表取締役CEO 山崎 浩樹(やまざき ひろき)

 山崎さんは北海道の釧路出身で横浜市在住です。小学生の頃、冬場はグランドの一部を生徒と先生でスケートリンクを作っていたそうで、意外にもスキーは大学生になって初めて体験したとのこと。室蘭工業大学に進学して、寮の先輩から強い勧誘を受けたことから4年間、ハンドボール部に所属していました。就職は道内を希望していましたが、研究開発部署の所属で、勤務地は川崎となりました。開発者として仕事が趣味と言えるような日々を約40年送ってきたと振り返ります。最近は愛犬(マルチーズとトイプードルのミックス“マルプー”)と毎日欠かさず散歩を楽しんでいます。田園風景があって、サイクリングコースにも入るルートを歩くのはリフレッシュの時間となっていますが、ついつい仕事のことも頭をよぎってしまうという山崎さんです。

【長年の研究開発職を経て起業、SIC入居へ】
 臨床検査装置の研究開発部署で山崎さんに最初に与えられたテーマは、血液中のマグネシウムを測定するイオンセンサや尿酸測定のセンサ開発。大学時代に「粒子の攪拌による浮遊」について研究し、粒子と流体の特性依存に関する解析を行っていた経験が実際の研究開発に重なりました。会社には要素技術の検討から市場調査・分析、初期ロットの製造までを製品開発部門が関わっていくという方針があり、そのおかげで技術に偏り過ぎない、市場ニーズを捉えた製品開発のあり方を身に着けることができました。電気化学センサに関する学術的な指導を複数の大学の先生方に受け、研究生として大学に受け入れられることとなり、母校の室蘭工業大学で博士後期課程を経て博士学位を取得することにもつながりました。やがて臨床検査市場は自動化への対応が進み、パーソナルケアのための簡易測定具も市場に出回り始めます。定年退職が近づいたころ、業務引継ぎと新規事業立ち上げの目途が立ったタイミングで、山崎さんがチャレンジしたかったことを事業化すべく、在職中にお世話になった方々からの後押しもあって、2023年4月に起業を果たし、2025年5月にSICに入居しました。

【シルクリ技研の業務内容】
 シルクリ技研の事業は、パーソナルヘルスのためのヘルスケアキットに関する「ライフケア事業」、体外検査具に関する「メディカルケア事業」、養液栽培向け施肥管理システムに関する「アグリサイエンス事業」および、要素技術に関する共同研究及びOEM展開で、すべてこれまでに積み重ねてきたセンシング技術がコアにあります。ライフケア事業では既に未病やがん発症リスク状態に焦点を当てた尿を試料として測定する「Pstageシリーズ」をリリースしており、これまでに8000セット以上を販売しています。採尿後にユーザ自身が尿をデバイスに点着し、そのデバイス画像をスマホの専用アプリで撮影し、そのデータをアップロードすることで、がん発症のリスク判定や体の酸化状態に関する情報がフィードバックされる一連のサービスを、自己健康管理ツールとして拡販していきます。ライフケア製品の他、臨床検査用のメディカルケア製品や水耕栽培用養液の肥料成分計測機器といったアグリサイエンス製品の開発も並行して進めています。

【これからの目標】
 人生100年時代と言われる現代ですが、それだけに自身の健康に気を配らなければならない中で、自覚症状が出る前の初期段階で健康度合いの変化が確認できることが大事だと考えています。強みであるセンシング技術を活かした製品が人や社会に役立てるよう、市場規模の大きさや収益性に捉われず、協業先や協力先と共に発展していきます。

株式会社シルクリ技研
SIC-1 Startup Lab.1211号室
URL:https://www.silcretech.com/
※ホームページ内にお問い合わせフォームがあります。
山崎さん
販売中のヘルスケアデバイス「Pstageシリーズ」