かわらばん

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     入居企業紹介
かわらばん入居版257号 2025年10月

株式会社MiRESSO さがみはらラボ
   フュージョンテクノロジーの社会実装に挑む!!
【入居企業プロフィール】
株式会社MiRESSO さがみはらラボ
上席エンジニア 浜崎 浩(はまさき ひろし)

 浜崎さんは鹿児島県曽於郡有明町(現 志布志市)出身で、現在は八王子市在住です。幼少の頃は海と山が近い、自然豊かな環境で砂遊びや虫取りをして遊んでいました。地元ならではの「砂浜マラソン」も今は懐かしい思い出です。種子島のロケット発射場が近いこともあってか、進学した九州大学理学部では地球惑星科学科で学び、ペンシルバニア州立大学で理学修士を取得しました。奥様は相模原市出身、娘さん(小学校2年生)と息子さん(1歳8カ月)の父親として、忙しい日々を過ごしています。八王子に住み始めてからは鹿児島で活動していた和太鼓を再開し、全国でも有数の団体に所属して、毎週練習に励んでいます。

【MiRESSOでの挑戦へ】
 大学院終了後は東京ガスに入社し、営業担当としてLNG(液化天然ガス)による燃焼転換支援や省エネ・CO2削減支援に関する提案業務を行っていました。大学・大学院で学んだことを活かしつつ、海外での仕事も充実していた頃、上司から「浜崎さんの知見や経験をもっと活かす道もあるのでは?」と声をかけられました。それまでサイエンス系のフィールドに身を置いていたことを振り返り、ビジネススクールに通って、企業フィロソフィーやリーダーシップなどを学びました。MBAを取得後、VC(ベンチャーキャピタル)に転職し、イノベーション創出に挑戦するテック系のスタートアップやアカデミアの支援に従事しました。ファイナンスだけでなく、組織構築などの経営戦略などの支援も行っていた折、民間事業者としてフュージョンエネルギー(核融合発電)関連ビジネスへの挑戦を始めたMiRESSO社の中道社長と再会しました。VCでの経験も積んだタイミングで、旧知であった中道社長からの熱烈な再オファーを受け、MiRESSO社への参画を決意しました。

【MiRESSOの事業内容】
 MiRESSO社は国立研究所の一つである量子科学技術研究開発機構(QST)発のスタートアップで、フュージョンエネルギーにおいて中核材料の一つである「ベリリウム(Be)」の分離・精製を行っています。ベリリウムは、アクアマリンやエメラルドと同じ鉱物種である「ベリル(緑柱石)」から抽出可能な元素です。従来技術では溶解工程で高温処理が必要ですが、MiRESSO社はマイクロ波を用いた低温での溶解技術を確立し、ベリリウムの低廉かつ安定した供給に貢献します。直近ではパイロットプラント(青森県八戸市にて2027年に稼働開始予定)の建設に向けて大型の資金調達も行いました。また、この溶解技術は蓄電用途で広く使用されるリチウムの分離・精製にも応用可能で、世界的に需要が高まるリチウムの供給における地理的な偏在という課題の解決に挑みます。2025年度のNEDO先導研究プログラムにも採択され、東京大学と共同で行うリチウム分離・回収技術の研究開発を進めるため、SICに入居することとなりました。

【これからの目標】
 現在は研究開発のための環境を整えている段階ですが、ベリリウムに加えてリチウムについても低コスト・省エネルギーでの精製技術の実証を進め、将来的な社会実装を目指しています。本研究を通じて浜崎さん自身がPh.D.(博士号)を取得することも重要なミッションの一つです。MiRESSO社はエネルギーイノベーションのための体制が今まさに整ったところで、今後はテクノロジーの実証と大量生産に向けたスケールアップを進め、事業拡大に向けて着実に取り組んでいきます。

株式会社MiRESSO さがみはらラボ
SIC-1 Startup Lab.1203号室
(本社:青森県三沢市)
https://miresso.co.jp/
※ホームページ内にお問い合わせフォームがあります。
浜崎さん