かわらばん入居版61号 2009年5月
企業をサポートし隊!!
 シリーズ企画 企業支援の現場から・・・資金繰り表を作成しよう!
中小企業の社長さん!
資金繰り表を作成していますか!?
川津公認会計士事務所
公認会計士 川津 文武
この不況により資金繰りに苦しむ企業は少なくないと思います。その資金繰りを少しでも改善するためには、資金繰り表を作成・活用し、日頃から留意しておくと良いポイントがあります。ぜひ、出来ることから、実践してみてください。
□資金繰り表を作成しましょう!
資金繰り表を作成するのはなぜでしょうか?現状を把握し、将来を予測して行動するためです。まずは精度の高い「日繰り表」を作成します。それにより目先の支払が行なえるか、入金と支払のタイミングによっては支払ができない日がないかを検討するのです。次に今後とるべき行動を予測するために、「3 ヶ月先の月次資金繰り表」をある程度の精度をもって作成します。これにより金融機関等との打合せを早めに行なうことができ、3 ヶ月先の資金の準備が可能となるのです。さらに、「2年程度先までの月次資金繰り予測表」を作成します。これは今後の資金の構想練るために活用します。2年後を見据え、資金調達は、今なのか、まだ先で良いのかという時期を検討したり、資本で調達するか借入金で調達するかという資本構成を検討したりするのに活用するのです。
□資金繰り改善のポイント
さて、資金繰り表を作成し現状を分析したときに、資金繰りがあまり良くない。その場合に資金繰りを改善するために、どんなことに留意すればよいでしょうか?
その留意点をいくつか挙げると次のとおりです。
●在庫を少なくする。
●売上代金の回収方法として、「前受金」や「現金売上」の可能性を探る。
●売上請求書に入金日を記載する。記載がないと先方がいつ支払って良いのかが曖昧になってしまうし、記載日があることで先方に回収遅延の連絡するタイミングが明確になる。
●仕入れてから在庫になり、それを売上げて代金を回収するまでのサイトを短くする。
●売上債権も仕入債務も、例えば「末日締めの翌月末日入金翌月末日支払」と同じ条件にせず、数日でも支払条件を遅く設定する。これにより末日入金を見込んで、その数日後の仕入債務の支払に充てることができる。
●例えば「月末締めの翌月支払」の条件で物品購入をする場合に、月末に購入しなければならないのか、翌月初めの購入でも業務上問題ないのかを検討する。それにより、およそ1 ヶ月近く支払いを後に延ばすことができる。
●遊休資産を売却して現金化を図る。
●固定資産を購入する場合にリースを活用する。
●手形割引や借入金を活用する。
●増資をする。
長屋門 SICアドバイザー 権藤 徹志さん画