かわらばん

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     専門家コラム
かわらばん入居版55号 2008年11月

企業をサポートし隊!!
   シリーズ企画 企業支援の現場から・・・『人材採用のポイント』3回連続
 前号では、【就職活動の実際(転職者編)】と題して、『転職者は、自分と企業の関係を重視した就職活動を行っていることをお伝えしました。第二回目の今回は【就職活動の実際(大学生編)】をお送りします。

SIC インキュベーションマネージャー
 上野 泰和(社会保険労務士有資格者)

第2 回 就職活動の実際(大学生編)

 ある大学の就職支援者は、昨今の就職活動に奔走する学生を「就職活動というイベントに参加させられている」と表現していました。そのことを裏付けるように、学生の90%以上が合同セミナーや企業説明会(大手企業による自社単独開催や就職情報提供会社主催など)に参加し、その平均は6回以上となっています((株)リクルート調査結果)。そのセミナーや説明会に参加しないことには、就職活動のスタートラインに立つことができないのですから、その割合の高さや回数の多さは、必然なのでしょう。そのため、学生は、セミナーや説明会に関する情報収集やエントリーなどの作業に膨大な時間を費やしています。

 では、学生がセミナーや説明会の情報をどのように収集しているかというと、ほとんどの学生が就職情報サイト(リクナビ、マイナビ等)からです。そこで、どのような企業が採用を計画しているかを知り、企業のホームページを閲覧し、セミナーや説明会に応募するかどうかを決定しています。

 学生の就職活動の対象の大部分は大手企業や中堅企業であり、中小企業も含めて就職活動を行っている学生は、少数派です。いわゆる“大企業志向”です。しかし、(株)毎日コミュニケーションズの調査結果では、「何がなんでも大手」は約10%、「ヤリガイのある仕事ができるのであれば、中堅・中小企業でもよい」は約39%と、半数近い学生は、“大企業志向” でないことがわかります。世間で言われているほど“大企業志向”は強くないのです。

 以前、ある大学の教授から、学生がどのように就職活動を進めているのかについて話しを伺いました。「大学では、2年次から就職活動に向けたガイダンスやセミナーを行い、早期に就職活動を始める必要性や重要性を説明している。その結果、多くの学生は、3年の秋頃から就職活動をスタートさせるが、その時に提供されている採用情報のほとんどが大企業のものばかりです。そしてまた、最近の学生は、地元志向が強くなってきています。」とのことでした。
 
 これらのことから、大学生の就職活動における問題点は「地元中小企業に関する情報が少ない」「学生自身が明確な目的意識をもって就職活動に臨んでおらず、その結果、企業規模や知名度で企業を選択している」ことが分かります。

 次回は、転職者や新卒者に伝えるべき採用情報は何か、その情報をどのように伝えるかなどについてみていきたいと思います。

第3 回へつづく