かわらばん

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     専門家コラム
かわらばん入居版53号 2008年9月

企業をサポートし隊!!
   シリーズ企画 企業支援の現場から・・・SICアドバイザー
見える化入門

 第3回(最終回):どう見せるか

中小企業診断士 若槻 直

●効果を上げる見せ方のヒント
 第2回までに、見える化の5つの対象と、4種類の方法について示しました。最終回は、効果を上げる見せ方のヒントをいくつかお話しします。

●目標・基準を明示する
 「見える化」とは視覚的コミュニケーションです。でも、ただ伝えるだけでは不足です。社員が自主的に異常や問題を発見して改善できれば効果が上がります。常に目標・基準と現状とのギャップを見せるようにすると効果的です。

 例えば次のような方法です。
 ・定置化:モノの定位置を区画線等で示します
 ・目標線:計画や目標をグラフ上に表示します
 ・管理限界:グラフや現物に上下限を示します

●工程順序を見せる
 目標や基準と現状とのギャップを発見したら、その原因を追究して対策を実施しなければなりません。そこで原因究明や対策実施のヒントになるのが工程順序や業務手順です。
 製造の職場ならば、工程のレイアウトが見た目に順序よく並んでいることが重要です。
 事務職場でも同じです。机のレイアウト、作成する文書の構成、使用するコンピュータシステムのメニューの並び順などを、業務の順序に合わせて並べておくとよいでしょう。

●色を使い分ける
 見える化では色をうまく使えると、効果が倍増します。色は、脳内物質やホルモンの分泌量に影響を与えることが知られています。赤は興奮系の色、青は沈静系の色ということはご存知でしょう。
 飲食店では暖色系の内装のほうが、売上が増えることが知られています。特に黄色と赤色の組み合わせは「食欲増進の組み合わせ」です。マクドナルドのカンバンが代表例です。
 色は社会習慣とも関連します。赤と青のランプが並んでいれば、信号機でなくても「赤が危険」「青が安全」と解釈されます。