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かわらばん地域版36号 2015年5月
「アジア経済事情と海外進出事例」 カンボジア編
 JETRO協力企画
―カンボジア経済事情―
カンボジアの2013年の実質GDP成長率は7.5%(カンボジア経済財政省推計)と、前年に比べ0.2ポイント上昇した。カンボジア経済は、2011年より3年連続で7%を超える高成長を維持している。その要因としては、外国人観光客の増加や都市部での所得水準の向上を背景としたサービス産業の成長、対米輸出依存が高い縫製品のEU向け輸出の増加、農業の成長などが挙げられる。政府は、産業構造を将来的には単純労働集約型から技術集約型(機械組み立てなど)に移行することを目指している。近年では自動車部品、農業、食品加工業など縫製業以外の分野への直接投資も急伸している。
経済財政省によると、2013年の輸出は前年比19.8%増の61億4,680万ドル、輸入は前 年比19.0%増の88億7,950万ドルであった。最大の輸入品目は織物、製靴部材などで25.3%増となり、輸入全体の58.9%を占めた。
商業省による国・地域別の貿易額では、日本への輸出額は3億3,441万ドルで7位、輸入額は1億7,553万ドルで10位であった。カンボジア投資委員会(CIB)によると、2013年の対内直接投資額(認可ベース)は、12億3,380万ドルで前年比10.0%減少した。カ ンボジア経済特別区委員会(CSEZB)が発表している2013年の経済特別区(SEZ)内への投資認可総額は2億5,070万ドルで、前年比30.6%増と「アジア経済事情と海外進出事例」なった。2012年に引き続き日本からの投資額が1位となり、6,439万ドルで全体の25.7%を占め、中国、シンガポール、タイと続いた。カンボジアにおける企業進出の受け皿であるSEZは国内に32カ所認可されている。
―進出企業とJETRO支援サービス―
ワイヤーハーネス、電子部品、プリント基板メーカーの株式会社プリンテ(本社:神戸市)にとって初めての海外進出先はカンボジアであったが、同社を担当した専門家は、カンボジアに進出したいという企業を支援した経験があった。
2013年8月、プノンペン経済特区に工場を建設することを決めたが、そこには既に40社ほどの企業が進出しており、残念ながら直ぐに入居できるレンタル工場がなかった。しかし専門家が経済特区のCEOと面識があったことから交渉ができ、「6ヶ月分の家賃を前払いすれば、レンタル工場を新たに建設する」という約束を取り付けた。2013年11月に前金を払って仮契約を済ませ、2014年6月中旬に新しいレンタル工場の引渡しを受け、2ヶ月強の内装工事を経て、9月末より試験操業を開始した。2ヶ月強の訓練操業の後、12月には本格操業に入り、2015年1月に製品の初出荷、1月29日に開所式と順調に進んでいる。
同社は近い将来日本からだけでなくASEAN地域からも材料を購入し、製品もASEAN地域にも輸出する方針を立てており、カンボジアの国と共に大きく成長していきたいと考えている。
(出所)ジェトロ海外情報ファイルJ-FILEおよびジェトロ世界貿易投資報告等から
(出所)ジェトロ「第24回アジア・オセアニア主要都市・地域の投資関連コスト比較」より
プノンペン市内のオートバイの様子
国道5号線を走行する
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