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     専門家コラム
かわらばん地域版56号 2018年7月

新たな拠点の整備
   企業をサポートし隊シリーズ -S I C 編- What is “Incubation” ?
 2000年4月のSIC-1オープンから18年。これまで延べ371社(個人事業含む)が入居し、うち274社が卒業し、新たな場所で操業しています。当初相模原市西橋本にSIC-1、2年後隣接地にSIC-2、2011年には相模原市上溝にSIC-3を建設し、多くの企業の入居需要に応えるため事業拡張してきました。さらに、ここ5年間、SIC施設全体の年間入居率は90%を超えるようになり、産業集積の促進、企業支援の充実、地域社会発展への貢献のためSIC-2敷地内に地上6階延床面積2,700㎡の増築棟の建設を始めます。2019年8月のオープンを予定しています。

1 .SIC-2増築棟
 SIC-2増築棟は、人工知能、ロボット、IoTによる新しいビジネス、新産業の創出が予想される今日、ロボット、バイオ、ヘルスケア、エネルギー、環境分野などの成長 産業分野企業による利用を想定し、ウェット系ラボ、機械系ラボの2タイプ計29室(一部屋63㎡)を整備します。使いやすさに重点をおいた仕様は、これまでの3施設の経験に基づき最も優れており、フロアー最大5区画300㎡まで利用できる拡張性をもつなど十分な操業環境を提供します。

 さらに、増築棟1階には相模原市ロボット導入支援センターが移転、再整備され、相模原市の進めるロボット産業施策の拠点となり、その効果が期待されています。

 この増築によりSICは、全施設で、大きさ、仕様の異なる14タイプ153室を有するインキュベーションセンターとして、創業者から中小企業の皆様の期待に応えることができる施設として完成します。

2 .コミュニケーション の充 実
 ロボット、バイオ、ヘルスケア、エネルギー、環境などの成長産業分野の研究開発型企業の新たな入居は、人、企業の新たな交流を生み出す機会として、新たに既存施設と増築棟を一体で捉えたゾーニングを計画しています。現在、人、企業のコミュニケーションをテーマに利用しやすい共有スペース、交流スペースについて入居企業の皆さんと検 討を重ねており、企業の皆さんと共につくる理 想的なコミュニケーションの場の提供が実現されます。

- 担当IMから -

 SIC設立準備段階から携わり、低廉でありながら機能性の高い施設の整備と前例のないインキュベーションセンターの管理、運営モデルの実現でした。限られた時間の中、明確な目標のもと、民間と行政が一つになり進めた事業は、ハード、ソフト事業の整備だけでなく、携わる人に熱い情熱と強い信念を生み出しました。
 SIC増築棟は、19年間のハード事業の集大成の施設となります。初心を忘れず、築き上げたSICモデルを入居企業、地域企業の皆様とさらに成長させていきたいと思います。

○ 取締役 総務部長 稲垣 英孝 ○

神奈川県座間市座間の出身。大学卒業後、相模原市に入庁。庁舎、パビリオンの施設管理業務とグリーンタワー相模原(市立麻溝公園)建設事業の経験から1998年産業振興課に配属されSIC建設を担当。その後、SICに入社し、企業支援、施設管理、総務を担当。現在は取締役総務部長としてSIC-2増築事業のリーダーを務める。
取締役 総務部長 稲垣 英孝
建設予定のSIC-2増築棟の模型 (左:SIC-2、右:SIC-2増築棟)