IT技術が進歩するにつれ、技術の中身がブラックボックス化する一方で、人間の視覚や触覚に直接訴えるヒューマンインタフェースの重要性が増しています。そこで当研究室では使いやすく魅力的なインタフェースを実現するために、情報技術と人間の関係をヒトの知覚や認知心理および感性の観点から研究しています。
最近の主なテーマは、Webページのユーザビリティや広告効果の評価の研究、バーチャルリアリティの応用、歩行や書字といった身体訓練へのIT技術の活用などです。
Webページは紙の文書と異なり、ユーザーは極めて短時間に流し読みし、次々と新しいページに遷移していくことが知られています。見られるためにはデザインが極めて重要ですので、視線分析やマウスの軌跡、記憶の心理実験などの客観的な測定手法を用いて、見られるページにはどのような特徴があるかを研究しています。また、認知心理学を応用した新しいWeb広告の仕組みの研究にも取り組んでいます。
今年は立体テレビ元年といわれており、立体視が何度目かの脚光を浴びていますが、私の研究室でもバーチャルリアリティ(VR)の思想を生かした立体視の応用システムの研究に取り
組んでいます。特に、家庭に立体TVが入る時代を見越し、インターネットにおける立体コンテンツ利用の可能性を探求しています。
身体訓練では新しい発想の書字訓練装置の研究を進めています。身体のリズム感覚は音と密接な関係があることを利用し、運筆音で書字動作をガイドするシステムを開発中です。模範の
文字を見て練習するだけでは困難だった書字のリズムが改善できます。
ヒューマンインタフェース学は実際的な学問ですので、今後は産業界との連携を強化していきたいと考えています。
【お問い合わせ先】
共同研究について:
青山学院大学 研究支援ユニット課長 杉野 郡二 ☎042-759-6056
理工学部・研究科について:
青山学院大学 学生支援ユニット 学務グループ
理工学部・研究科担当 ☎042-759-6033
http://www.aoyama.ac.jp/graduate/science/index.html
http://www.cseis.aoyama.ac.jp/