かわらばん入居版61号 2009年5月
石川の東海道 道中記 第8回
 ― 平成21年4月4日(土)津島~四日市宿 ―
夜行バスのほうが、名古屋に1時間早く着くので、生まれて初めて利用することにした。うとうとし始めたと思ったら、6:10 に名古屋到着。名鉄に乗り換えて津島駅7:10 到着、前回の交差点まで
戻りスタートする。
愛宕神社を過ぎ佐屋宿までは4kの道のりであるが、町並みにはほとんど雰囲気を残すものはない。宿場には代官所跡の石碑があり、向かい側の小さな公園には、同じく渡し場の石碑がぽつんと立っている。昔はここから木曽川を下り桑名に入ったそうだ。県道を弥富まで田園風景を楽しみながら歩くと、イオンの大きなショッピングセンターがある。ここで一休みして東名阪自動車道と関西本線のガードをくぐると1号線に当る。ここを右折するといよいよ木曽川を渡る。これまで東海道の川をいくつも渡ってきているが、河原が少なく水量が豊富な川は始めてである。1.5kほどで今度は長良川に架かる伊勢大橋を渡り、川沿いの堤防を南下すると、六華苑(写真)が見えてくる。鹿鳴館を設計したジョサイア・コンドルによる洋館と和館が合体した建物で山林王の諸戸清六の邸宅であった。
暖炉を使用した先進性が洋館にあると思えば、和館には茶室など凝った造りが随所にみられる。
少し先には、宮から桑名までを舟で下った七里の渡しになるが、広重の「桑名」に描かれている幡龍櫓( ばんりゅうやぐら)が復元されている。
歩を進めると1667年に建立された春日神社青銅の鳥居があり、鋳物で栄えた往時を偲ばせ、やがて火の見櫓の矢立場となる。ここを左折して進めば町屋橋となる。
街道脇には神社仏閣も多く、また、桜並木が随所に見られ、雨も降り出し寝不足のせいか歩みは遅いが、四日市までの12kの道程もあまり長くは感じなかった。三滝橋を渡り四日市宿に入り、名物の「なが餅」を笹井屋にて購入。雨は更に激しくなり20分ほど進むと五日市商店街のアーケードがあり、おかげさまで雨が避けられ宿泊先に17:00 到着した。午後からは雨に降られた一日でしたが、「桜を愛でる」ことが各所で出来て充実した1日で、歩行距離は35kでした。 つづく