かわらばん入居版78号 2010年11月
中嶋社長のつぶやき
 SIC「10年の時間軸」
今月も、「嬉しい話」から始めます。10月29日、SICのOBであるアイシンク(I-Think)株式会社の創立10周年記念パーティーにお招きいただきました。アイシンク(I-Think)社長である伊藤健太郎さんは、SICで2000年に起業され、プログラム開発を進め、独自能力を磨き、SICから巣立った方です。そして、沢山のお客様を創り、ビジネスモデルを確立され、プロジェクトマネジメントの世界で、確固たる地位を築かれました。本当に喜ばしいことです。
このように、SICから成功をされる企業が数多く輩出されることが、SICの存在意義でもありますので、このことからしても、喜ばしいことです。
SICの設立は、1999年4月。SIC-1のオープンは、2000年4月。SIC-2のオープンは、2002年4月。SIC設立から11年。SIC-1オープンから10年。SIC-2オープンから8年です。10年という時間は、長いような短いような、人それぞれにより感じ方は違うのではないかと思いますが、ビジネスの世界では、ひとつの区切りの期間かもしれません。そのような10年の歴史を
刻んだ企業が、SICの入居企業の皆様の中から、生まれてきたことも、大きな意味があります。
ベンチャー企業の成長するプロセスとして、次のようなことが言われています。
『技術経営の分野では、研究開発と事業化までの難関・障壁を、研究開発のフェーズによって
●「魔の川」…基礎研究から応用研究までの間の難関・障壁
●「デスバレー(死の谷)…応用研究からニュービジネスあるいは、製品化までの間の難関・障壁
●「ダーウィンの海」…ニュービジネスあるいは製品化から、事業化までの間の難関・障壁
のように分類しているが、これらすべてを総称して「デスバレー」ということもある。』
《ウィキペディア「デスバレー(研究開発)」より》
基礎研究が産業化されるには、「魔の川」を渡り、「死の谷」を歩み、「ダーウィンの海」を生き抜き、対岸に渡りきることが必要であると言われています。
もうひとつ、嬉しい話です。11月19日(金)「SIC・KSPフォーラム2010」が、橋本駅ミウィ・杜のホールで開催されました。基調講演として、神戸国際大学経済学部中村智彦教授のご講演。
そして、SIC入居企業3社によるパネルディスカッション。パネリストは、㈱グローバルヘルスの田中社長、動物アレルギー検査㈱の増田社長、サイエナジー㈱の元田社長です。
各企業紹介のあと、創業から現在までのご苦労された体験から、貴重な意見をたくさんいただきました。まさに、「魔の川」を渡り、「死の谷」を歩み、「ダーウィンの海」を生き抜き、対岸に渡りきることを実践された経営者の姿でした。
SIC入居企業の皆様は、この「10年の時間軸」のなかで、それぞれどんな成長プロセスを歩まれたのでしょうか…。
そして、これからの「10年の時間軸」をどのようにお考えでしょうか…。
忙しい「師走」となりましたが、企業の成長プロセスを「大きな時間の流れ」のなかで、考えてみるのも良いかもしれませんね・・・。
アイシンク(I-Think)の歴史
2000年5月1日「さがみはら産業創造センター」内に設立。
→プロジェクトマネジメントに特化したサービス提供
→様々な業種でのプロジェクトの成功をサポート、
2005年5月 新宿センタービルに移転。
2005年5月 G-Thinkをさがみはら産業創造センター内に設立。
→顧客サポートとテキスト製作を主に担当。
《伊藤社長の著書》
2003年10月 『プロジェクトはなぜ失敗するのか』(日経BP)
2005年10月 『戦略的エンタープライズプロジェクトマネジメント』監訳
(生産性出版)
2007年3月 『プロマネはなぜチームを壊すのか』(日経BP)
2010年10月 『狩猟型プロジェクトマネジャーの哲学』(生産性出版)