かわらばん

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     社長のコラム
かわらばん入居版93号 2012年1月

中嶋社長のつぶやき
   「リーダーシップ」と「フォロワーシップ」
 最近、リーダーシップに関しての議論や論評が多くなっているように感じている。今年は、1月の台湾総統選挙に始まり、世界の各国で大統領選挙などが予定されている。また、災害に直面した際のリーダーのあり方。経済環境が大きく変わる局面での企業経営での決断など、リーダーをめぐる議論をすることが多くなっている。
 しかし、リーダー1人だけでは、組織は動かない。必ずリーダーを助ける役割である参謀やサポーターが必要である。大きな組織になればなるほどフォロワーの役割が重要となる。この議論は、あまり聞くことができない。
 「ザ・フォロワーシップ」の著者アイラ・チャレフ氏は「たいていの人は、状況によってリーダーにもフォロワーにもなりうる。」「当然ながら、リーダーだけで成り立つ世界は存在しない。」「フォロワーを無視してリーダーを考えるのは、生徒を無視して教師について考えるようなもの。」「どちらも大切な存在である。」と述べている。
さらに「どうすれば機能しないリーダーシップを批判するだけに終わらず、リーダーシップの育成に貢献できるのだろうか。」と問題提起している。
 ならば、フォロワーは誰のために働くのか。「フォロワー」は、「部下」と同義語ではない。部下は上司の指示に従って動くが、上司の味方とはかぎらず、実際には敵かもしれないし、敵味方のどちらでもないかもしれない。一方、フォロワーはリーダーと目的を同じくし、組織が成し遂げようとしている目的の正当性を信じ、リーダーと組織の成功を願い、目的を達成すべく精力的に働く。」「リーダーとフォロワーは共通の目的を中心にしてまわる行動集団である。」
 「目的を達成しようとする組織にとって、フォロワーはリーダー同様、頼りになる世話役であり、その対象にはリーダーも含まれる。リーダーがフォロワーの世話をするのと同じくらい、フォロワーもあらゆる面でリーダーの世話をする。」「リーダーや利害関係者の為でなく、自分のことだけに働くとしたら、それはフォロワーではない。組織のエネルギーを吸いとって、自らの目的のために使おうとする利己主義者である。」
 「リーダーシップとフォロワーシップが、どちらもスチュワードシップ(世話役としての責任と奉仕の精神)に満ちていれば、忠誠心は組織の目的と利害関係者に正しく向けられることになる。利害関係者には、組織の行動によって影響を受ける原則や人間、環境が含まれる。」

 リーダーは、フォロワーを支援し、フォロワーはリーダーを支援する。この関係性から組織が回り始める。組織内で批判し合っていても何も生まれない。まずは、経営幹部の信頼関係が基本になるのではないか。このテーマは奥深い。引き続き考えていきたい。