美術デザイン系大学が集積する相模原市・橋本の特徴を生かし、クリエイティブの力で地域を盛り上げようと、相模原周辺エリアで活動する多摩美術大学卒業生が中心となって、昨年、「橋本デザイン会議」が発足しました。
「橋本デザイン会議」は、さがみはらエリアの企業と発表の場を求めているクリエイターとの出会いの場を設け、地域のビジネスを活性化させる有効な切り札としてクリエイティブの力を紹介する活動を目指しています。企業の特徴や悩みから、「デザイン」で解決するテーマを設定し、学生クリエイターから多様なアイデアを募りました。募ったのは「さがみはらエリア」の5つの企業。事業の発展を目指して託したテーマとその受賞作品をご紹介します。
第三回は、2016年3月に表彰式を行ったHDMバイタリゼーションデザインアワードから、株式会社イノウエです。
テーマ：静電気軽減アームブレス新パッケージデザイン
人に贈りたくなる「冬のプレゼント」
導電性の糸を使用することで、静電気を空気中に逃すことができるアームブレス。乾燥した冬、静電気に悩む同僚や家族や友人などに贈りたくなる「冬のプレゼント」として販売できるような魅力的なパッケージデザインを募集しました。
制作者：森脇 紘子（横浜美術大学）
カスタマーを楽しませるパッケージの提案
☆学生クリエイターからのコメント（制作意図）
色・柄のバリエーションを豊富に取り揃えることで、人にプレゼントしたくなるパッケージの提案。ファッションアイテムブランドとしての確立、企業の品質アピールと顧客層の拡大を目指しました。
☆テーマ主題企業から、作品へコメント
審査会では魅力的なアイディアが多く、選考に悩みました。その中でもブレスに合った丸いパッケージに、目を惹かれました。より多くの方が商品を手にするきっかけになってもらえればと思います。
☆コーディネーターからのコメント
商品バリエーションの豊富さを１つ１つ違ったパッケージで表現した色とりどりで楽しい提案です。贈る相手を思い浮かべて選びたくなるようなカラフルなパッケージは、売り場までもワクワクするものに変えてくれそうです。本作品と同時に副賞を受賞した作品は、株式会社イノウエとサレジオ高専で産学連携プロジェクトに発展しました。
（小崎 直利 デザイナー）
テーマ出題企業： 株式会社イノウエ
昭和3年より相模原の地で組み紐の製造を続けてきた企業。時代の流れとともに女性向けのヘアゴムを製造するようになり、現在では国内シェア6割を占める。ヘアゴムのような低価格なOEM商品のみならず、今回の静電気軽減アームブレスのように自社オリジナル商品などの高価格帯の商品開発も精力的に行っている。
代表者：代表取締役社長 井上 毅
所在地：〒252-0155神奈川県相模原市緑区鳥屋750番地
http://www.inoue-braid.co.jp/
カスタマーを楽しませるパッケージの提案 