かわらばん

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かわらばん入居版76号 2010年9月

中嶋社長のつぶやき
   「もしドラ」
 皆さん、「もしドラ」を読まれましたか?
「もし、中日ドラゴンズが優勝したら」とか「もし、ドラやきを食べて、日本茶が欲しくなったら」ということではないようです。
「もし高校野球の女子マネージャーが ドラッカーの『マネジメント』を読んだら 」という長いタイトルの本のことです。

 出版社の内容紹介から引用させていただくと、

「敏腕マネージャーと野球部の仲間たちが甲子園を目指して奮闘する青春小説。高校野球の女子マネージャーのみなみちゃんは、マネージャーの仕事のために、ドラッカーの『マネジメン
ト』を間違って買ってしまいます。はじめは難しくて後悔するのですが、しだいに野球部のマネジメントにも生かせることに気付きます。」

ということで、この本が、すごい人気となり、発行部数が、なんと120万部を突破したそうです。専用ホームページまで、開設され、読者の広がりが増えているようです。
 この本の表紙は、アニメの女子高生ですので、「おやじ世代」としては、買うのに少し勇気が必要でした。ストーリーは、ちょっと「クサイ」感じですが、「高校野球」を題材にして、
甲子園を目指して、試行錯誤しながら成長していく、個人とチームの姿を描いています。最後の場面では、予期せず「グッと」来るものがありました。

 小説の中で、ドラッカー「マネジメント」の引用がたくさん出てきます。自然と一緒になって考え、読み込んでしまいます。
例えば、

「ん・・・まだ分からないんだけどね。でね、これにこう書いてあったんだけど、マネジメント…マネジメントというのはマネージャーの仕事ね…をするためには、まず初めに、『組織の
定義づけ』からはじめなければならないんだって」
「組織の定義付け?」
「そう、『マネジメント』には、こうあるわ」
ここで引用
「あらゆる組織において、共通のものの見方、理解、方向づけ、努力を実現するには、『われわれの事業は何か。何であるべきか』を定義することが不可欠である。」(22頁)
「つまり野球部をマネジメントするためには、まず野球部はどういう組織で、何をするべきか……を決めなければならないのよ」

というように関連付けて読ませるようになっています。とても上手にできています。

 しかし、野球部の「マネージャー」が、「マネジメント」とは、よく考えたものです。組織の定義、存在意義、「顧客」の定義、マーケティングへの取り組み、「人の強み」を生かす、イノベーション…等など、企業経営と基本は同じことでした。
 ドラッカーの入門書としては、「プロフェショナルの条件」と共に、お勧めです。そして、この「もしドラ」と「エッセンシャル マネジメント」とを一緒にしての読書会等やってみる
のも面白いかも知れません…。