かわらばん入居版70号 2010年3月
企業をサポートし隊!!
 シリーズ企画 企業支援の現場から
「売上向上のための営業部門の業務革新」
企業にとって最も大事なテーマは売上の維持、拡大であることは言うまでもありません。しかし「言うは易し、行うは難し」で、現実には企業経営における永遠の課題と言ってもよいかもしれません。今回は限られた紙面ですが、これに関連して営業をテーマに私の経験から少し話をしてみます。
昨今の右肩下がりの時代、変化の激しい時代においては、良いものを安く作るだけでは売上は確保できません。いかに顧客のニーズにそった売れるものを作り、売れる仕組みの中で販売し、売上を継続的に伸ばしていけるかが大事になっています。つまり営業こそが企業のコア・コンピタンスでなければならないのです。このことは現在の勝ち組企業を見ても明らかなことです。しかし一方で製品開発や生産には力を入れていても、営業の業務革新が遅れている企業を多く見受けるのも事実です。
そこでまずお薦めしたいのは3K(勘・経験・根性)営業から科学的、システム的、計画的な営業への脱皮です。これは勘や経験、根性を全面的に否定しているわけではなく、これらの要素を分析し、標準化して共有化できるようすることが意図です。この場合のポイントとしては以下のようなことも含まれると考えてください。
・マーケティング手法を使って、市場を分析し標的顧客を決めてそれに合った販売活動を行う。
・営業プロセスを明確にして、営業担当者間で共有化する。
・結果管理ではなくプロセス管理とし、プロセスが見える仕組みを作る。(管理フォーマットの作成と管理)
・成果を上げている営業担当者のノウハウを他の担当者も参考にできる仕組みを作る。
・営業担当者には重点的に以下のトレーニングをおこなう。
①顧客の問題点やニーズを聞き出せるスキル
②商品の特徴と利点だけを説明するのではなく、その顧客が得ることができるベネフィット( 便益) を提案できるスキル
次に営業ツールとして近年大事なホームページ( 以下HP)についても気になる点をアドバスしておきます。HPには大きく、信用力アップと顧客誘引の機能があります。顧客が企業を知った時、そこがどんな会社であるかを照会しますが、HPがなかったり内容が疎かであれば信用力は低下します。
ここまでは合格の企業が多いのですが、顧客誘引については残念ながら成功している企業は少ないと感じます。つまり顧客が何か問題や要求があった時に、そのキーワードで検索して貴方の会社が上位に検索されるかどうかです。ぜひ、試しに検索してみてください。もし競合会社が先に出てくるようであれば、顧客の問い合わせはその会社に流れていると考えられます。これはSEO対策をすれば改善できますので、詳しい方に相談してみることをお勧めします。
これからもまだしばらく受注環境は厳しい時代が続くと思います。今回のアドバイスが少しでもお役に立てば幸いです。
トゥッティ・コンサルティング
土屋 正憲氏
境川べり SICアドバイザー 権藤 徹志氏 画