かわらばん

かわらばん

    
かわらばん入居版62号 2009年6月

石川の東海道 道中記 第9回
   ― 平成21年4月4日(土)四日市~石薬師宿 ―
 7:40 前日の雨も上がり上天気である。昨夕通り過ぎた諏訪神社に向かう。商業・漁業の神様で“おすわさん” と愛称されているそうで、当日も鳥居の下を地元の方が清掃されていた。
 近鉄内部線に沿って進み、鹿化橋( かばけばし) を渡ると、昔の日永( ひなが) 村に入り、天白橋を越えるとすぐ右手に日永神社がある。境内には、東海道で最古(1656 年)といわれている道標があり、裏面には「南無阿弥陀仏」と彫られた珍しいもので、以前は日永追分の神宮遥拝鳥居のそばに立てられていたそうだ。
 一里塚跡を過ぎたところで、「家に桑名港や船の模型があるので寄りませんか」と呼び止められて付いていくと、廃材を利用されて作ったいろいろなミニチュアが、たくさん飾ってあり、新聞に紹介された記事も見せていただいた。お名前が川村謙三様という方で、これまでも作品を小中学校に寄贈されているとのことでした。
 追分を過ぎて内部橋を渡ったところで小休止10:40。金比羅宮から急坂となるが、これを杖衝坂( つえつきざか) という。確かに急坂であるが短いので一気に上る。坂の途中には芭蕉の句としては珍しく季語のない「歩行( かち) ならば杖つき坂の落馬かな」の句の石碑が立っている。
 一号線に合流し、しばらく行くと旧道と分かれてすぐに北町地蔵堂があり、宿場に入って行く。小沢本陣跡の先には明治の歌人佐々木信綱の生家があり、隣には記念館がある。
 瑠璃光橋をわたると石薬師寺は796年創立の寺で地元の信仰も厚いそうで、佐々木信綱の「蝉時雨石薬師寺は広重の画に見るがごとみどり深しも」の石碑が建つ。近くに蒲桜( かばざくら) が丁度咲いていた。「逆さ桜」とも言われ、山桜の変種として珍しいものだそうな。坂を下ると蒲川橋の袂には一里塚があり、田んぼ道を進むと1 号線に合流するもJR加佐登駅へ
向かい12:25 到着し帰路についた。 今日の距離は16kでした。

つづく