かわらばん

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かわらばん入居版91号 2011年11月

中嶋社長のつぶやき
   「大切なことは大切に!!」
 10月5日の報道は、ショックだった。スティーブ・ジョブズが、亡くなって2か月が経過した。1955年生まれ、56年間の人生、マイクロソフトのビル・ゲイツと同年齢。偶然にも、私も同い年。(これは、どうでも良い情報。)
 「スティーブは最も偉大な米国の革新者の一人でした。物事を別の見方で考えることを恐れず、世界を変えることができると信じるほどの大胆さがあり、そしてそれを実現するための十分な才能を持ち合わせていました。そして、地球上で最も成功した企業の一つをガレージから作り上げたことは、米国の、創意にあふれる良き精神を世に知らしめました。先見の明を持った一人の人間を世界は失いました。世界中の多くの人が、彼の訃報を、彼自身が発明した道具で知ることになった。それこそが彼の成功に対する最大の賛辞かもしれません。」(※文献①)
 「スティーブと私は、30年近く前に初めて出会った。私たちは人生の半数以上の期間、同僚であり、競争相手であり、そして友達だった。スティーブほどこの上なく印象的なインパクトを世に残せる人物はめったにいない。その影響は次世代の多くの人々に引き継がれるだろう。」(※文献②)

 アップル上場により、20代で米経済誌フォーブス長者番付にランクイン。自由奔放な言動により役員から解任。ジョブズ退社後、アップルは業績不振に陥りジョブズを呼び戻す。復帰後iMac、iPodなど革新的な製品を開発しアップルを再興。言うまでもないが、歴史に残る偉大な経営者の一人であった。大切な財産を失った。残念でならない。
 スティーブ・ジョブズは、2004年すい臓がん手術より、病との戦い連続であった。「もし、今日が人生で最後の日だったら、今日やろうとしていることは、本当にやりたいことだろうか」「誰も死にたくはない。たとえ天国に行きたいと願う人でも、そのために死にたいとは思わない。でも、死は我々、皆が共有する行先だ。そこから逃れたものはいない。」「あなた方の時間は限られている。誰か他の人の人生を生きて無駄にしてはいけない。ドグマにとらわれてはいけない。」自身が、死に直面して、発せられた言葉。とても、重たい意味ある大切な言葉である。

 話は変わる。企業にとって、経営者が突然病気になり、亡くなってしまうことをどう理解したら良いのだろうか。恐らくアップルでは、スティーブ・ジョブズ自身のがん告知以降、組織的に準備がなされていると推察する。しかし、一般的なベンチャー企業、中小企業では、経営者独自の技術力、営業力などに依存している。よって、経営者の健康状態は、会社の存続に直接影響する。企業経営者の生命は、その経営する企業の生命と一体である。経営者個人だけの体ではない。会社、社員、家族のモノでもある。非常に重要なこと、大切なことである。
 これから、忘年会と新年会が続く季節である。どうしても、無理をしてしまう。しかし、経営者の体は本人だけのものではない。自己管理が求められる。ここで、私より、一年の締めの言葉。「大切なことは、大切に!!」

[追記]公式伝記とされている「スティーブ・ジョブズ」講談社は、10月24日発売開始10日間で100万部を突破したようだ。日本での関心の高さが窺える。更に多方面からの「スティーブ・ジョブズ」研究や論評があるのではないかと思う。また今後のアップル社の動向も興味深い。引き続き関心を持っていたい。

※文献「AERA MOOK スティーブ・ジョブズ 100人の証言」
   ①バラク・オバマ、The White House 公式サイト声明文から抜粋
   ②ビル・ゲイツ マイクロソフト共同創業者・会長 公式コメント