かわらばん

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かわらばん地域版16号 2011年12月

株式会社キャロットシステムズ
   「どうせやるなら楽しく!」
 相模原市緑区西橋本でシステムの受託開発を行う株式会社キャロットシステムズの代表取締役西澤勇司氏を訪ね、これまでの歩みや今後の抱負などを語っていただきました。
 西澤氏の故郷は、長野県信州新町(現長野市)。機械工学(メカトロニクス)を学び、地元の計測機器メーカーに就職。製造技術部門で計測にまつわる治工具の設計・開発を担当、切削加工なども自分の手で行い、振り返れば「設計をしながら遊ばせていただいたようなもの」と笑うものの、「今の自分・社業の礎である」と語る。その後、知人の紹介で東京の会社に転職。製造メーカーとの交渉で、アメリカやシンガポールで単身の商談出張をこなす中で、「物事何とかなるものだ。」ということが染みついた。
 西澤氏29歳、仲間と二人で起業・独立を果たし、ファンクションテスターと呼ばれる計測制御の事業を開始した。創業した年の暮に受注したシステムの納品先を訪問したところ、先方の社長が「創業間もなく大変であろう」と即金で支払いをしていただいた。創業間もない厳しい時期で、今でも忘れない有難い出来事である。
 最終製品の試作依頼の注文増加とともに事業領域が拡大、年に1人ずつスタッフが増え、光ファイバーケーブルモジュールの受注で大幅に業績が躍進するものの、ITバブル崩壊によって売上高が急減する厳しい環境変化の局面に遭遇する。ここではRFIDの開発を先行していたことが功じて大手企業からの受注に至り、厳しい局面を乗り切った。
 一方、以前から取り組みたかったというB To C のコンシューマービジネスに、防犯カメラ事業として乗り出す。2005年、エントリーモデル1機種からスタート。台湾や中国で製造・組立を行い日本で販売するもの。現在では法人向け製品も追加するなどラインナップ数が増え好調である。
 キャロットシステムズの社名は、「Creativity(創造) And Revolution2(革新2) Of Technology」。顧客からの設計・製造依頼に、創造的・革新的な要素を組み入れ商品のさらなる付加価値向上を提案していく思いを込めている。「Carrot(にんじん)」のロゴが印象的でCI効果は抜群である。
 社員は24名、最近では事業領域の拡大で営業職も増え、企業体となってきた。今年は新入社員2名が入社。部下や後輩をつけることで上や下が育つ仕組みを考え実践している。今年青森から採用した新入社員のために来年4月には同じ学校から後輩が入社予定だ。
 西澤氏が日頃から社員へ語る言葉に「どうせやるなら楽しく!」がある。仕事は逃げてくれない、仕事はやらざるを得ない。であれば、気持ちの持ちようである。嫌々やるのではなく、楽しくやることで能率的な仕事ができる。社員向けレクリエーションでは登山を行っているそうだ。先ずは丹沢で足慣らしを行い、ホップ・ステップで順番に難易度を上げていくのだそうだ。キャロットシステムズの社風や社員教育の一端が伺いしれる。
 企業活動に並行し、先輩経営者に誘われ1998年相模原市青年工業経営研究会に入会、経営者として大きな影響を受けた。西澤氏は「会社を経営するという意識改革に繋がった。経営とは何か、ということを大いに学んだ」と語る。
 相模原に移り住み23年、地域の方々に生かされていると考える。地域の方々へ少しでも役に立つことができればと、相模原商工会議所工業部会副部会長などを務め、多忙な毎日を過ごす。休日に4歳になる子息と遊ぶことが束の間の息抜きで、会社経営へのビタミン剤になっている。
 最近では、医療機器の開発にも関わり、新しい医療機器開発の案件に対応すべく医療用ISO13485取得に向けて活動を開始するとともに、生産体制の確保のために国内外での商談を進めている。ポジティブに常に前を向いて進む西澤氏、次の事業領域へ狙いを定め、跳躍しようとしている。

株式会社キャロットシステムズ
代表取締役 西澤 勇司
所在地:相模原市緑区西橋本1-16-18
従業員数:24名 資本金:2,750万円 売上高:5億円(2011年6月期実績)
事業内容:1.電子応用装置ならびにコンピュータ応用装置の
       企画・設計・製造・販売
     2.防犯機器、監視機器およびその周辺機器の
       企画・設計・製造・販売
     3.高齢者ならびに障害者の支援のための介護機器の
       企画・設計・製造・販売
     4.医療機器の企画・設計・製造・販売

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