かわらばん入居版60号 2009年4月
企業をサポートし隊!!
 シリーズ企画 企業支援の現場から・・・事業承継を考えましょう!
中小企業の社長さん!
年齢が60 歳超えたら、事業承継を考えましょう!
川津公認会計士事務所
公認会計士 川津 文武
最近、企業の事業承継に関する「経営承継円滑化法」や「相続税・贈与税の納税猶予制度」など制度の整備が進んでいます。これも事業承継が企業の重要課題であるからに他なりません。中小企業の社長さん、ぜひ事業承継を考えてみてください。
□社長の年齢は60 歳を超えていますか?
事業承継は人間(社長)の寿命は有限である一方、企業は長期的に継続していく可能性があり、両者の寿命が異なるため考える必要があるものです。また社長依存度の高い中小企業の場合、社長に万が一のことがあれば会社経営が不安定になり、従業員は給与がもらえず生活の糧を失う恐れや資金繰
りが悪化し得意先・仕入先に迷惑がかかる恐れがあります。さらには社長の家族は、内情も知らず時間もないままに社長に代わって残された会社について、事業承継を実行しなければなりません。したがって事前に「将来、会社を整理するのか、次世代へ承継するのか?」を考えることは、従業員、取
引先、社長家族など周囲の方々への不安・負担を和らげるものであり、経営者の責務なのです。
□事業承継は何を考えたらよいのですか?
事業承継は何を考え、何を決め、どのように進めていけばよいのかわからず、承継を考えたことがない方もいるかもしれません。商売の事業計画を練るときと同様に考えてみてください。商売の事業計画のときには、「何を:○製品を」「誰に:女性向けに」「いつまでに:1 年後までに」「どうやって:ホームページを使って」販売していくなどと考えるはずです。同様に、事業承継計画のときにも、「何を:株式の半分を」「誰に:長男に」「いつまでに:3年後までに」「どうやって:贈与制度を使って」移動していくなどと考えてみてください。
□承継相手と承継時期の社長構想をもって、ぜひ承継計画を!
事業承継計画を具体的に作成する場合に、顧問税理士等に相談しながら作成するにしても、承継をする決断・承継相手・承継時期は社長にその構想がないとその先の計画を練ることが難しくなります。社長はまず「誰に、いつ」この企業の将来を託すのかを考えることが重要となります。承継相手によって、経営の承継にどの程度の時間を見込むのかが異なりますし、株式の承継を考える上でもその移動手法(売買・贈与等)をどう考えるのかが異なってくるからです。
このように社長の年齢が60 歳を超えたら、「誰に、いつ」の構想をもって、顧問税理士等へ相談してみましょう!そして事業承継計画を立て周囲を安心させてください。