かわらばん

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かわらばん入居版57号 2009年1月

株式会社未来先端技術研究所
   材料の医者を目指す!!
■代表プロフィール
株式会社未来先端技術研究所 
代表取締役 福田琢也さん
 1955年生まれ、北海道出身。幼少より化学の勉強が好きで、なんと小学生で高校の教科書を読んでいたそうです。
 ワインには少々うるさく、好きなワインは、赤ならアメリカのナパ産、白ならアメリカのソノマ産。また、古い家具や腕時計をリサイクルした置き時計作り、野菜形のロウソク作り、油絵等々、趣味は多種多様で、運動面としては40代から始めたテニスは、市民大会にも出場するほど。

■起業しようと思ったきっかけは?
 子どもの頃から理科が好きで、北海道大学理学部で博士号を取得後、日立製作所へ入社。半導体製造プロセスの研究開発に従事後、材料メーカーなどとともにASET(超先端電子技術開発機構)のPFC代替プロセス技術の開発プロジェクト」に参画。このプロジェクトの中で、福田氏は半導体配線の絶縁材料の開発に関する評価技術の確立を担当した(工学博士を取得)。
 本研究プロジェクトが終了した時に、材料メーカーの研究者仲間から、引き続き評価をして欲しいとの要望を受けて起業を決意し、2004年、東京農工大学のインキュベート施設に入居し起業。

■事業紹介
 半導体工業分野では、常に新しい材料の導入が図られている。例えば、LSIの多層配線では、高速化と低電力化のために低誘電率の材料開発が急務である。しかしながら、材料供給する材料メーカーやデバイスメーカーでは、多種の材料の全てを評価し解析することが厳しい。
 そこで、同社では、薄膜の電気的評価を含めた総合的な評価と併せて最適な解析(「裏読み」と名付けている)を行うことで、材料の開発期間を短縮させることに貢献している。
 また、半導体以外の分野では、超臨海CO2を用いた乾燥・脱脂・洗浄技術といった先端技術への応用や、MEMS(超微小構造の電子機械デバイス)での封じ技術や有機ELのパッシベーション膜の開発などの先端技術分野の開発支援を行っている。

ー 評価の種類 ー
     ○ 絶縁性・誘電体の電気評価
     ○ 材料の物性評価、改質性評価
     ○ 加速試験
     ○ 電解質、水溶液、食品の電気的評価
     ○ 透水性、透酸素性の評価 など

■一番苦労していることは?
 営業。半導体・自動車関係から受託業務が絞り込まれており、評価解析の技術を活用いただける方々を探索している。

■これからの夢または目標は?
 材料の電気的評価に関しては、出来ないものはない。強みは、解析の技。複数の手法で観察された数値をどのように解析するかが肝で、今後は、この技を食料分野に活かしたい。
 例えば、食の安全が社会問題化している中、DNA分析に頼らなくとも、電気的な特性評価・解析により、和牛か輸入肉かを見分けることが可能で、産地偽造を防ぐ技術として役立てられないか構想を練っているところである。

(株)未来先端技術研究所