かわらばん

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かわらばん地域版20号 2012年8月

株式会社ユウキ工業
   「多品種小ロット生産、 高い品質、超短納期」を武器に
 中央区下九沢にある株式会社ユウキ工業の本社工場に北澤芳恵社長を訪ねました。広くて緑が美しいエントランスがとても印象的です。同社は長年、貸工場で操業していましたが念願だった自社工場を相模原市の産業集積促進条例(STEP50)の認定を受け、5年前に建設。北澤社長は従業員が誇りを持って、楽しく仕事ができるよう「工場らしくない工場、オシャレな工場」を造りたいと考えマンションを手がける建築デザイナーに設計を依頼したそうです。1階は機能的に加工装置が並ぶ工場、2階は対面式キッチンがある広く明るいダイニングルームとオフィス。従業員のことを大切にする北澤社長の思いが表れている素敵な本社工場です。
 ユウキ工業は結城会長が昭和61年に創業した小ロット生産や試作に特化した精密板金と溶接の会社。PSA高圧窒素発生器付NCレーザー加工機、YAGレーザー溶接機、NCパンチングプレスなど最新の加工装置を積極的に導入し、顧客の多様な要求に応えてきた。また、短納期の注
文が多く、朝注文を受けてその日の夜に納品というケースも珍しくないそうだ。製造業の空洞化が進む昨今「高い品質と超短納期」に対応できる会社だけが国内で生き残れ
るのだろう。
 北澤社長は学校で情報処理を学んだ後、西新宿にある企業でのOL生活を経て、父親が経営するユウキ工業に入社する。経理、製品検査、生産管理となんでもやったそうだ。情報処理を学んだ経験を生かし生産管理システムや三次元測定機の導入などに取組み入社10年目で社長に
就任する。結城会長は「60歳で事業を継承したい」と考えていたようで60歳の誕生日の翌月に社長の座を長女である北澤社長に譲っている。

経営者になって良かった事は:
 OL 時代には出会えないようないろいろな人に出会えたこと。たとえば、SIC経営塾で出会った講師の先生や経営者の方々など、経営者になっていなければ会う事も話すこともなかったと思う。これからも様々な人達と出会い、多くのことを学んでいきたい。

経営者としての苦労は:
 11歳と5歳のお子さんを抱える北澤社長。頼りになる職場の部長やリーダーに支えられながら経営者と母親の二役をこなしている。帰宅しても仕事のことが頭から離れず育児と仕事どちらも中途半端になりはしないかと悩むそうだ。

ユウキ工業の今後は:
 製造業は増々空洞化が進むと思うが「多品種小ロット生産、高い品質、超短納期」を武器に、国内で顧客層をもっと広げ、生き残っていくと決意を語る。
 北澤社長と話をしていて先日新聞で読んだ次のような記事を思い出した。「日本には大きな潜在成長力がある。それは女性の力だ。女性を主要7カ国と同じ労働参加率に引き上げるだけで、日本の生産力は25%増加する」最近来日したIMFの専務理事が日本経済の可能性についてこう語っている。
 北澤社長のような女性の活躍が日本をもう一度元気にするのだと思った。

株式会社ユウキ工業
代表取締役社長 北澤 芳恵
所在地:相模原市中央区下九沢1093-1
従業員数:26名 資本金:1,000万円
売上高:4億2千万円(平成23年度実績)
事業内容:試作及び量産の精密板金加工一式

http://www.yuki-k.co.jp/