かわらばん

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かわらばん地域版20号 2012年8月

アイセム
   ものづくりの技術進歩は材料表面の解析
 アイセム(i-SEM Laboratory)は、慶應義塾大学で材料表面の解析研究を行ってきた清水健一博士が、大学の定年退官を機に、これまでに培った表面観察・分析の技術により、ものづくり企業の表面処理の技術力向上をサポートしたいと考え、SIC-3に入居・起業した。
 清水氏は、東京都立大学大学院工学研究科博士課程を修了後、日本学術振興会奨励研究員、マンチェスター工科大学・TheRoyal Society 客員研究員、慶應義塾大学経済学部化学教室教授において、腐食・防食、ナノ表面分析及び電子顕微鏡の分野で研究活動を行うとともに企業の表面解析支援を行い、当該分野における第一人者である。
 めっき皮膜などの様々な表面処理皮膜、半導体デバイス断面の迅速な観察法の確立は、日本の製造業が国際競争力を維持するうえで極めて重要な課題になっている。
 このような中、アイセムは、めっき皮膜など様々な表面処理皮膜、半導体デバイスなどの断面観察の分野において、次の事業を行っている。

○超低加速・超高分解能走査電子顕微鏡と高周波グロー放電スパッタ法によ
 る迅速サンプル前処理法の普及 (セミナーや相談企業先での現地指導) 
○超ミクロトームによる断面試料作製 及び技術指導。 
○新規電子顕微鏡試料作製装置の開発。

 SIC-3は、ものづくり成長産業の集積を図り次世代産業をリーディングするイノベーションラボラトリーとして2011 年12 月にオープンし、地域産業界の技術交流拠点として活動を開始している。「SIC 表面技術研究所」と連携しながら、入居企業・地域企業の技術課題を担って頂けるアイセムの存在は心強い。
 既に入居企業が研究開発している材料の表面解析で課題を明らかにし研究の方向性の道筋を示すなどの事例も芽生えている。
 「予想もしない縁が、予想もしない関係・進展に繋がる。小さな偶然が大きな展開に繋がる。自分がSIC-3 に存在することで、入居・地域企業の交流・発展に役に立ちたい。」と語る。
 気さくな人柄で表面解析に関する多くのネットワークを有するアイセムが地域産業界の技術交流のハブとなることを期待したい。

【清水健一氏紹介】
工学博士、慶応義塾大学名誉教授、大阪市
立大学客員教授。表面技術協会、腐食防食
協会に所属。相模原市内に在住。

著書の紹介
「SEM の新しい世界
  A new world of scanning electron microscopy」
(日刊工業新聞社,2008年8月発行)
 材料表面の形態、組織を反映した鮮明な像
を数十万倍の高倍率で容易に得ることができ
る電子顕微鏡の世界。本書は、工業的に重要な
様々な部材や材料の鮮明・詳細な写真事例集
で、材料評価や故障解析などに従事する現場
の研究者にとって必携の書。本文は英文で記
述しています。(出典:NikkanBookStore)

アイセム(i-SEM Laboratory代表 清水健一)
〒252-0243相模原市中央区上溝1880番2
TEL/FAX.042-746-5014
E-MAIL: shimizuk@ocn.keio.ac.jp
URL: さがみはら産業創造センターの入居企業紹介をご覧ください。