かわらばん

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かわらばん地域版20号 2012年8月

「女性の力」を引き出し、経営に活かす
   マネジメントアドバイザー 古賀 千根
■一人が変われば、会社が変わる!
 きっかけは、女性ばかりの職場である百貨店から男性の多い中小
企業に転職したことでした。百貨店で、接客、電話応対、お客様に
対する気遣い等は徹底的に叩き込まれ、それらのことは私にとって
は当然のことでした。その後、男性ばかりの職場に転職したところ、
お客様がいらっしゃった時の応対に気遣い・心配りがないことや電
話応対の時の言葉使いが適切でないことに愕然としました。そんな
中でも、自分なりに前職で学んだ接客やマナーを実践していると、
自然と周囲の人が真似をするようになり、その影響が社内に広がっ
ていったのです。「なんだか会社の雰囲気が変わった、上品になっ
た。」と社外の方からお褒めの言葉を頂くようになりました。難し
いことではない、女性が本来持っている柔らかさと気遣いを社内に
取り入れるだけで、対外的な会社のイメージは向上する、そして、
「一人が変われば、会社が変わる!」とその時実感しました。

■会社のイメージをアップさせるのは私たち
 マネジメントアドバイザーとして活動する中で、日々、電話でア
ポイントを取り、多くの会社に訪問します。会社との最初の接点は
「電話」であり、訪問時、実際にまずお会いするのは社長の前に応
対して下さる「社員」です。第一印象の55%が視覚情報、38%が
聴覚情報で決まると言われています。つまり、聴覚情報である「電
話応対」と視覚情報である「接客応対」がとても重要で、「社員の
イメージ」が「会社イメージ」に大きく影響します。にもかかわらず、
残念ながら、その応対の教育をしておらず、なおざりになっている
のを感じます。私自身の経験から、会社のイメージを女性である私
たちが向上させることができると思っています。

■働く女性の本音に迫る
 働く女性の本音に迫るべく、相模原市内の企業で働く女性にアン
ケートを取りました。89%の女性が「今の仕事に対して満足」して
おり、93%の女性が「これからも長く働きたい」と考えています。
また、長期的に働く中で、73%の女性が「チャンスがあれば、い
ろいろやってみたい」、「今の業務をより専門的にしたい」、
「役職関係なくやりがいが欲しい」という意見を持っています。
経営者の方々には、これらの女性の意欲や想いを引き出して欲しい、
女性社員の方々には、自分なりの役割、存在感を発揮し、やりがい
を見出して欲しいという願いをこめて「女性力発揮セミナー」を
企画しました。

■「女性視点」と「男性視点」を経営に活かす
 仕事上のディスカッションで「女性視点」と「男性視点」はそれ
ぞれ異なり、同じものを見ていても捉える角度、感じることが正反
対の場面が多々あります。しかし、正解はなく、お互いの意見を尊
重し、それぞれを補完しあえば、よりクオリティの高いアウトプッ
トが出せることを何度も経験しました。経営も同じ。これまでの経
営視点に女性の視点を活用することでさらに強い企業になると思い
ます。経済環境が厳しい中、将来の発展を見据えると人材の育成は
必須となってきます。今後、「女性の感性」はキーワードとなってき、
女性が会社を変え、社会に変化をもたらす時が来ています。マネジ
メントアドバイザーとして、眠っている「女性の力」を目覚めさせ、
企業発展の一端に寄与したいと思っています。