かわらばん

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かわらばん入居版111号 2013年8月

東京理科大学 総合研究機構 太陽光発電研究部門 中田研究室
   「環境・エネルギー問題への切り札CIGS太陽電池の実用化に貢献する」
【代表プロフィール】
東京理科大学 総合研究機構 太陽光発電研究部門
教授 中田 時夫(工学博士)
CIGS薄膜太陽電池の研究一筋28年目を迎えた研究者。このCIGS薄膜太陽電池の開発に日本で初めて着手した人物。46年間在職した青山学院大学では、多くの学生を研究者として育成。明るい人柄と研究にかける情熱で多くの学生に慕われる大学教授。
東京都府中市在住。

【どのような研究をしているのですか?】
 5年間のNEDOプロジェクトの研究開発を行うため、東京理科大学の所属でSICに入居しました。研究内容は、従来のシリコン(Si)系太陽電池に替わり、次世代の高効率・低コスト太陽電池の本命として期待されているCIGS(Cu(In,Ga)Se2)太陽電池を中心にフラットパネルディスプレーなどに用いられる透明導電膜などを研究テーマとし、特にCIGS太陽電池の更なる高効率化を図るため土日も休まず研究開発を続けています。

 また。太陽電池開発に関する研究環境、実験設備は充実しており、薄膜作製・物性評価などの基礎からデバイス作製・評価までを一貫して行っている数少ない研究室です。SICに入居したことを機会に入居企業、市内企業の方にも評価、分析等で協力をしたいと思っておりますので、お気軽にお声を掛けてください。

【日常を教えてください】
 普段は、研究室と家を往復する日々で土日も研究室に来ています。研究は5人のメンバーで行っていますが、さらに研究推進のためテクニカルスタッフを募集しています。
 趣味は、相模湾のマグロ、カツオ釣り。その引きと美味しさがやめられない。青山学院大学の研究室では、釣り上げたマグロを自らさばき美味しいマグロを学生に振る舞いました。


【SICに入居して4か月、いかがですか?】
 実験設備を整えるのに近くにホームセンターがあり、たいへん便利。食事も美味しく、安い。研究をするのには最高の場所です。

【46年間の教育者としての思いを聞かせてください。】
 手がけてきた研究は、国の予算を活用した研究が多く、社会に成果で貢献することが一番です。研究成果は当然ですが、研究室から多くの卒業生がCIGS太陽電池関係企業で活躍しており、社会貢献の一助となれば望外の喜びです。
 学生の育成では、学生から学ぶことも多く、学生の研究の失敗には多くの飛躍する研究アイデアが入っており大切にしてきました。
 常識にとらわれない若い研究者の育成をめざし、学生には川原の石積み(役に立たないテーマ)でなく、磨くと光る原石(役に立つ研究テーマ)を渡し、共に磨くことが理工学部教員の使命であると頑張ってきました。

【これからの目標はなんですか。】
 いま国の予算を活用したNEDO研究プロジェクトを実施しています。社会に貢献するために与えられた期限内で大きな成果を出すことが今の目標です。

インタビューを終えて:
 今回のインタビューでは、中田教授の長年の研究者として、そして教育者としての生き方に触れることができました。「28年間、同じ研究テーマを続けてこられたのは、自分が無精だからです。」と笑う姿にその信念と情熱を感じました。

東京理科大学 総合研究機構
太陽光発電研究部門 中田研究室
TEL./FAX 042-770-9607
URL:http://nakada-www.ee.aoyama.ac.jp/
中田教授



趣味は海釣り。釣り上げた「ぶり」と中田教授。