かわらばん

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かわらばん地域版27号 2013年11月

日本化工機材株式会社
   角紙管で世界を目指す!
 包装材の製造販売、紙管を使った商品開発などを手がける日本化工機材株式会社の大澤浩一郎社長を相模原市淵野辺にある本社工場に訪ねました。同社は父親である先代が乾燥剤「シリカゲル」の加工・販売を行う会社として昭和37年に町田市で創業し、淵野辺には昭和45年に移転している。創業間もなくは乾燥剤が主体だったがスピーカーの梱包を手始めに業容を広げ現在は売上の60%は包装材関連、角紙管25%、乾燥剤15%となっている。

 包装といっても奥は深く、顧客からの依頼を受け、落下試験などを行いながら内容物が輸送中に衝撃を受けても破損しないよう緩衝材や梱包材の形や配置をデザインし、それを製造し、顧客に納入している。「いかにコンパクトで、落としても壊れないように梱包するか」そこに多くのノウハウが詰まっている。包装するものはヘルスケア商品、医療機器、冷凍冷蔵庫、自販機、自動車部品など様々だ。
 
 同社は現在、国内に子会社を2社、マレーシアに1社、タイに2社、中国天津に1社の現地法人を持っている。マレーシアやタイの現地法人の仕事はヨーロッパに自動車部品などを輸出する日系企業からの依頼がほとんどだそうだ。部品の輸送に細心の注意を払う日系企業にとっては欠かせないパートナーとなっている。日本の強みは「高い品質」と世界が評価しているが、単に製造業だけではなくこうした多くの企業がそれを支えているのだと実感する。同業の中でいち早く海外展開したこともあり国内製造業の海外移転に伴う売上の減少を海外事業がカバーしている。「今後ますます海外での仕事が増えていき間もなく海外比率が過半を超える。海外で規模を拡大し、日本では付加価値の高いものづくりに特化していきたい。」と大澤社長は言う。

 力を入れているのが「角紙管」と呼ぶ紙で作られた角状の筒を使った商品開発。同社は国内唯一の角紙管専業メーカーとして世界初のねじれがでない角紙管「リニア角紙管」の開発に成功している。無印良品を展開する株式会社良品計画とのつきあいは長くラック、椅子などの商品を共同開発している。また、コンビニの商品ラックや証書入れなど様々な商品開発にも取り組んでいる。現在は需要が拡大しているリフォーム市場向けにドアなど建具の開発を建築デザイナーとともに行っている。
大澤社長は高校、大学と山岳部に所属し、北アルプスや八ヶ岳を駆け巡っていた山男。卒業後は好きな飲食関係に進むが父親の勧めもあり1976年に日本化工機材に入社する。営業や国内子会社への出向を経て1999年に43才で代表取締役に就任している。

 就任以来、マレーシア、タイ、中国天津と海外拠点の立上に奔走した大澤社長は「将来、海外拠点がそれぞれ独自に新事業を作りだして欲しい。そして、もっと働く場所を作りだしてもらいたい」と言う。それぞれの海外拠点が地域に根ざし、地域に貢献してくれることを願っている。共に栄えることを目指す日本らしい海外展開のモデルになると思う。

日本化工機材株式会社
代表取締役社長 大澤 浩一郎
住所:相模原市中央区淵野辺1-20-8
従業員数:98名
資本金:6,875万円
売上高:40億円(連結)
事業内容:化成品の製造、販売とその応用品販売
     紙製品の製造、販売とその製品の製造プラントの設計製作
     紙製品とその応用商品開発及び包装設計の受託
URL:http://www.nk-kizai.co.jp/
大澤社長