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かわらばん地域版32号 2014年9月
「アジア経済事情と海外進出事例」 マレーシア編
 JETRO協力企画
日本貿易振興機構( J E T R O )にご協力していただき、6 回シリーズで東南アジア6 か国( フィリピン、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナム、カンボジア)の経済事情とJ E T R O の支援サービスを受けて海外進出した事例を紹介しています。
- マレーシア経済 -
2013年のマレーシアの実質GDP成長率は4.7%で前年に引き続きサービス業と建設業が成長を牽引した。2012年に18.6%と産業別で最も高い成長を記録した建設業は2013年は10.9%、GDPの55.2%を占めるサービス業は5.9%となった。製造業では主要輸出産業の電気・電子分野は2012年の2.2%から2013年は3.5%となり、製造業全体は3.4%となった。
2013年の貿易輸出は2.4%増、輸入は中国からの輸入が増えたこと等から7.0%増だった。輸出先ではシンガポール、中国、日本、米国、タイの上位5カ国で、輸出額の52.1%を占めた。輸入相手国は中国、シンガポール、日本、米国、タイの順で、これら5カ国で輸入額の51.2%を占める。
対日輸出は前年比4.4%減っており、輸出品目は全体の50.4%をLNGが占める。輸入品目は熱電子管、太陽電池、部品で全体の15.8%を占めた。
2013年マレーシアへの直接投資は前年比46.0%増と前年から一転大幅に増加した。業種別では電機・電子製品、国別では米国からの投資が最大で、前年1位だった日本は4位と後退した。
- 進出企業とJETRO支援サービス -
ショッピングセンターや工場、病院等の建設にあたり、建設予算の削減や、スケジュール、品質を管理するコンストラクションマネジメント(略してCM)サービスを提供する株式会社プラスPM(大阪府)は、国内建設市場の縮小が見込まれる一方で、海外での建設需要は増加が見込まれていることから7・8年前から海外進出を検討していた。そのような中、大手取引先がマレーシアで事業拡大をすることに伴って現地でのCMの要望があり、それを機に進出を決意した。
マレーシアの利点として、プラスPM社は治安も良く大事な社員を出向させるにも安心できたという。また、ローカルの建築技術者採用の面で考えるとマレーシアがより適していると判断できたという。
戸惑った点では現地の労働観やライフスタイルを把握していないと問題に突き当たる可能性があることだ。スタッフの労働観も日本と異なる。マレーシアでは仕事を覚えると転職する傾向があり、賃金以外にもスタッフがモチベーションを保てるような工夫が必要だとプラスPMの木村社長は指摘する。また、ジェトロの専門家から、「有給制度を活用して、スタッフが一斉に年末に3週間程度の休みを取る事もある」などアドバイスをもらい、「有給休暇の取り方」など、業務が滞りなく稼働できりための細かい就業規則を専門家と相談しながら作成したのだ。プラスPMの取引先は既存顧客だけではなくマレーシアに進出する日系企業の需要も取り込んで販路を拡大していく予定だ。
マレーシアの主要経済統計(2013年) 表はPDF版をご覧ください。
マレーシア(クアラルンプール )の主要な投資関連コスト(2013年) 表はPDF版をご覧ください。
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