かわらばん

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かわらばん入居版131号 2015年4月

株式会社スリーダム
   「リチウムイオン電池用次世代セパレータの実用化に向けて」
【代表プロフィール】
株式会社スリーダム
代表取締役社長 黒田 幸藏(くろだ ゆきぞう)
北海道生まれ 目黒区在住  55歳
取締役副社長 小黒 秀祐(おぐろ しゅうすけ)
東京生まれ 相模原市在住  60歳
 
 技術系のスタッフに囲まれた環境のなかで「研究者や技術者の方と話をする時間」が好きで、そこにお酒が入ると楽しくてたまらないと話すのは事業全般のマネジメントや営業活動を担当されている黒田社長。数年前にダイエット目的で空手道場に通っていたこともありますが、今はそのような時間が取れず多忙な日々を送っておられるそうです。

 大手メーカーご出身の小黒副社長は、同社の技術開発全般の責任者です。今は単身赴任中ですが、趣味であるロードバイクを奈良の自宅から持参し、休日は相模湖などをいろんな思いを巡らせ考えながら走らせる時間が好きとのことです。

【事業紹介】
 株式会社スリーダムはリチウム蓄電池(リチウムイオン電池)用次世代セパレータの実用化に向けた研究開発を行っています。社名は開発中の3DOM Separator(3次元的に規則正しい空孔構造を持つセパレータ)※1からきています。このスリーダムセパレータの特徴はリチウム蓄電池の高エネルギー密度化と高い安全性を実現しているところです。

 セパレータは、電池の正極と負極の間を電気的、物理的に隔離すると同時に、充放電をつかさどるリチウムイオンの移動をスムーズにする多孔性の薄膜で、電池の基幹部材の一つです。現在実用化されているセパレータは、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)樹脂を基材としていますが、3DOMセパレータは耐熱性の高いポリイミド樹脂を基材とし、特殊な構造をしています。空孔率は70%以上で保液性も高く、レート特性やサイクル寿命の向上も期待できるものです。

 スリーダムセパレータは首都大学東京の金村教授をリーダーとする研究グループによって基礎開発がなされ、スリーダム社がその実用化を一手に担っています。首都大学東京による研究成果を実用化するために、大学とのアクセス性が良いSICを選び入居されました。

 現在6名のスタッフで実用化に向けた研究開発を進めています。それぞれに異なる経歴や技術を持ったスタッフで構成された同社ですが、エネルギー環境の中の「蓄エネ」というテーマに向き合いながら、「それぞれが個々の仕事の中で力を発揮し、お互いを高めあっていけるチームになりつつある」と黒田社長は力説されます。

【これからの目標】
 スリーダムセパレータは、やがてグローバルスタンダードになり得る製品で、そのための実用化を着実に進めていかなくてはなりません。本事業の協力者を増やしていき、やがてはセパレータのみならず、正極や電解液、添加剤といった各種の技術開発にも事業を広げていき、地球レベルでの豊かな生活に貢献して行くことが出来る企業をスリーダム社は目指しています。

※1 3-Dimensionally Ordered Macro-porous Separator

株式会社スリーダム
SIC-1 212
URL: http://www.3dom.co.jp/
前列左から(今澤 計博さん、黒田 幸藏社長、小黒 秀祐副社長)後列左から(最上 佐登志さん、福澤 武治さん、池田 留美さん)
金属リチウム二次電池 (プロトタイプ) Rechargeable Lithium Metallic Battery (prototype)
Image Diagram