かわらばん

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かわらばん地域版49号 2017年5月

齊藤精機株式会社
   78th × T E C H N O L O G Y 永年積み上げた確かな技術で世界に!
 半導体・光学ガラス関連から自動車・航空機・衛星関連など幅広い分野の自動機や装置の設計製作・試作加工までを手掛ける齊藤精機株式会社の齊藤社長を相模原市中央区淵野辺の本社に訪ねました。

 同社は昭和14年、齊藤武社長の祖父である庄三氏により東京都大森に精密機器製造工場として「齊藤製作所」を創業された。今年で78年の業歴を有するまさに”老舗企業”である。創業当時の戦前は主に陸軍相模原造兵廠の協力会社として戦車用のディーゼルやノイズホルダーの加工をはじめ、軍事用部品、陸軍用ヘルメットの製造を行っていたそうだ。終戦後は自動車部品や電気部品の加工、製品加工や組み立ての際の作業位置を制御するために用いられる「治具」の設計製作などへ民需転換を図っている。

 昭和40年代に入ると本田技研工業からの要請により「自動機」の設計製作を開始した。

 かねてより量産品を取り扱うかスポット品を取り扱うかの選択に迫られていたそうだが、当時、同社は量産品よりも顧客の要望一つひとつに応えていく道を選択した。そこが齊藤精機のもうひとつの原点となっているのだろう。それ以来、様々な自動機・装置の設計製作を手掛け、特に半導体関連では国内外の上場企業を主な受注先としている。

 同社が取り扱う製品は設計から納品まで約1年程度の期間を要するものが多い。入口部分である設計には安全性を重視しながら顧客ニーズに合わせじっくり時間をかける。製作製造工程では主要精密部品の内製化と各種構成部品のアウトソーシングによるフレキシブルな生産体制を確立している。さらに出口部分であるプログラミングでは、オペレータの操作性を高めるため、独自のソフトを駆使し、シンプルかつスピード感を重視したものとなっている。

 このように設計から製作・製造、プログラミングまでを一貫して行えるのが同社の特徴であり強みだ。まさに高い技術力から作り上げられる高品質な製品が国内外の上場企業に選ばれる由縁だろう。そして、その強みの根源は「自ら考え行動してくれる社員に他ならない」と齊藤社長は言う。

 齊藤社長の父で二代目社長である齊藤實氏(現会長)から引き継ぎ代表取締役社長に就任したのは、今から二年ほど前。事業承継にあたり改めて感じることが三つあると言う。まずは一緒に踏ん張ってくれる“いい社員”がいてくれること、二つ目は自動入機製作に必要な大きな建屋(全3工場)があること、三つ目は取引先と多くの外注先に恵まれていることで、先代から受け継いだ大きな財産である。
 
 これまで、メカ・電気・ソフト設計、中核部品の内製、組立・調整の内製化を進めてきた齊藤社長は今まで以上に時代の変化や多様化する顧客ニーズへの対応に“革新”をもって取り組んで行くことが肝要だと言う。企業にとって大切なのは人であり、世界から認知承認され、共に成長し働き甲斐のある会社に、そして、齊藤精機に来たいと言われる会社にしていきたいと語る。

 使い手の安全性や操作性など様々な顧客ニーズに対応し、自動機メーカーとして着実に前進する齊藤精機は、半導体・航空機・通信衛星関連を中心とした自動機設計製作の専門集団として、その認知度は今後さらに大きく世界に広がっていくことでしょう。

齊藤精機株式会社
代表取締役社長 齊藤 武(さいとう たけし)
所在地:相模原市中央区淵野辺1-21-18
従業員数:28名(パートを含む)
売上高:5億円
事業内容:半導体、光学ガラス、航空・衛星、自動車関係の各種専用機と装置の設計・
     製造、その他専用機での試作品や受託加工
URL:http://www.saito-seiki.co.jp/index.html