かわらばん

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かわらばん地域版53号 2018年1月

HKT株式会社
   「地球規模の取り組みを支えるために」
 大型車両の圧縮空気/負圧/油圧/天然ガス/冷却水の切替用電磁弁を主要製品として ディーゼルエンジン用のグロープラグや排気の後処理装置などを製造・販売しているHKT株式会社 企画室研究グループ主事の井上博史さんにお話しを伺いました。

 八王子市に本社を構えていたHKT社は2016年5月に相模原市緑区西橋本(SIC1号館から徒歩10分ほど)に移転されました。当時、同社には2つの開発グループがあり、そのうちの開発1グループ(現在の企画室 研究グループ)が2017年1月、自動車(主にディーゼルトラック)による排気ガス浄化のための新しい装置の開発を行うためにSICのラボに入居されました。ラボ内では若手スタッフが開発業務にあたっています。

 HKT株式会社は「北原製作所」として1948年に創業、1954年に「株式会社 北原製作所」として法人化、2002年に社名を「HKT株式会社」に変更し、約70年にわたって自動車関連の部品製造を行ってきました。取り扱う製品は、ブレーキやエンジンなどに使用される電磁弁をはじめ、圧力、音、熱などにかかわる部品で、本社工場の他、台湾、フィリピン、タイでも生産されています。ラボでの業務は、これからさらに広がっていく環境負荷低減に対する地球規模の取り組みを支えるため、排気ガス中の有害物質除去に関する大手企業との新技術の共同研究で得られた知見を活かし、実用化を目指した製品開発を進めています。

 大学時代「菌」について学び、4年生の時に人口心臓弁に使用する菌が付着しない表面処理技術の研究をされていた井上さんは、その後の進路にそれまでとは路線の違うものづくり企業の同社に入社されました。「大手企業での出向期間に取り組んだ世界初の排気ガス浄化装置に関する研究成果を一日でも早く市場に打ち出していきたい。また、その先では大学時代に学んだバイオ・化学分野の観点からゼロ・エミッションを最終目標として、エコ社会に貢献する開発をやっていきたい。」と井上さんは物静かながらも熱い思いを話して下さいました。

HKT株式会社 企画室 研究グループ
SIC-1 104号室
http://www.hkt-jp.com/
左から 大屋 一葉さん、髙橋 潤さん、井上 博史さん
DPF再生用バーナーシステム
ブロワ―
HKT株式会社 本社社屋