かわらばん

かわらばん

    
かわらばん地域版56号 2018年7月

ノーベルファーマ株式会社 CMC研究室
   「医薬品を通してより多くの人の幸せに貢献する」
 希少疾病用医薬品や医療機器の開発を手掛けるノーベルファーマ株式会社生産本部の安澤亨さんと野村達雄さんにお話を伺いました。

 希少疾病用医薬品や医療機器の開発を手掛けるノーベルファーマ社で、国立成育医療研究センターと共同での小児用医薬品の研究開発にあたられていたお二人は、新たな開発業務を担当、SICを研究の場とされています。大手が手掛けることのない分野でいち早く新薬を上市させるために、ラボでは主に、薬剤の処方や製造法の基礎検討、成分の純度や化学的な安定性などを確認するための分析業務を行っています。

 ノーベルファーマ社は銅吸収阻害剤(難病指定されているウィルソン病の治療剤)として“ノベルジン”を販売していますが、これに味覚障害などを惹き起こす“亜鉛欠乏”の治療薬としてわが国で初めて“低亜鉛血症”の適応を取得、効能追加(既存の薬に新たな効果・効能を見出し、医薬品として承認を取得すること)を果たしました。希少疾病の治療薬が別の形で患者さんの治療を助け、それを会社の収益の柱として育て上げ、また新たな希少疾病治療のための新薬・新製品を世の中に送り出すといった好循環構築への新たな挑戦がノーベルファーマ社で始まり、その一端を安澤さん、野村さんが担われています。

 「医薬品開発において、携わった研究が製品化に至るのはほんの一握りですが、わが社は希少疾病の領域において一つでも多くの医薬品を製品化できるように、これからも様々なチャレンジを続けていきたい。」と安澤さん、「薬は最終的にちゃんと服用されないといけません。特に子どもや高齢者が服用しやすい薬の開発は大切な仕事なのです。これからも患者側に立った医薬品づくりを進めていきたい。」と野村さんは語ります。

 着々と研究開発環境が整い、新しい薬を待ち望む方のための仕事がこのSICの中で始まっています。

ノーベルファーマ株式会社は一般的には利益を出しづらい“希少疾病薬”というハイリスクなカテゴリーの開発に果敢に挑戦し、社会貢献のために自ら経営資源を投下しながら企業としての今後の成長も大きく期待できることが評価され、Japan Venture Awards2017で最優秀賞にあたる経済産業大臣賞を受賞されています。

ノーベルファーマ株式会社 CMC研究室
SIC-1 202 号室
URL : https://www.nobelpharma.co.jp/
※CMC:Chemistry,Manufacturing and Control の各頭文字を取った略語。
左から 野村さん、安澤さん
ノベルジン® :ウィルソン病治療の他、低亜鉛血症の治療にも効能がある